なぜいつもサラリーマンの声は新橋で取られるのか?
なぜサラリーマンのインタビューは新橋の“SL広場”の前で行われるのか? |
答えは簡単! 新橋駅周辺は典型的なサラリーマン(愛着を込めて、通称“オヤジ”サラリーマンと呼ぶことにしましょう)に遭遇する可能性が、東京都内屈指の場所だからです。それではなぜ“オヤジ”サラリーマンが新橋に集うのでしょうか?
それは新橋には企業の経費カットの一環で給料が上がらなくなり、結果としてお小遣いを減らされるなど懐具合の寂しくなった“オヤジ”サラリーマンの強い味方である赤提灯が、昔から多く軒を連ねているからです。
もともと新橋は江戸時代から武家屋敷が立ち並び、人が多く行きかう活気ある街として栄えていました。明治時代には新橋―横浜間の日本初の鉄道開通に際して、東京側の始発駅となり、多くの人で賑わいました。また、戦後は闇市が開かれ「手に入れられないものはない」という程の物が所狭しと並べられ、多くの人が物資を求めて集まるようになったのです。
このように新橋は、昔から多くの人が集まる活況を呈した街だったようです。そこに集まる多くの人の胃袋を満たすために、手頃な価格で飲み食いできる場所を提供したのが新橋の赤提灯の始まりということなのではないでしょうか。
私自身も一サラリーマンとして経験がありますが、日本経済を牽引する“オヤジ”サラリーマンは、会社や家庭で溜まったストレスを、夜な夜な古くから庶民の味方である赤提灯で心の許せる同僚と愚痴をこぼして発散し、明日の活力に繋げているのです。
日頃どんないやなことがあっても、リーズナブルな価格で心ゆくまで楽しめる赤提灯の存在があるからこそ、“オヤジ”サラリーマンは新橋駅に降り立つと心が癒され、それゆえに頻繁に足を運ぶようになる……。
言うなれば新橋は“オヤジ”サラリーマンにとって聖地とも言うべき存在であり、魅了してやまないものが多くあるために“オヤジ”サラリーマンは新橋に集うというわけです。