プロジェクトが遅延したときや暗礁に乗り上げたとき、スピードを優先するがゆえに部下育成をいったん脇におき、次のような決断をしたことはないでしょうか。

「部下に任せるより自分でしたほうが早い」
「部下を育てる必要性はわかっているが、いまは時間がない。だからひとまず今回は指示してしまおう」

逆に育成に力を入れるあまり、プロジェクト進行のスピードや質をあきらめたことはないでしょうか。

プロジェクトの円滑な進行と部下育成の両立の可能性を信じつつも、実際はどちらかをあきらめていることは少なくありません。今回はプロジェクトを円滑に進めながら同時に部下育成も実現するリーダーの先手必勝法を紹介します。

高レベルのリクエストをする

心構え
リクエストは相手の枠や制限を越えてチャレンジさせる
プロジェクト進行管理を任せた部下が「予定表を来週中に提出します」と言ってきたとき、あなたならどのように対応しますか?

「よし、頼んだぞ」と答える前に少し次の点について考えてみて下さい。
  • その業務に、本当にそんなに時間が必要だろうか?
  • その部下が持てる能力を最大限発揮した場合、どのくらいで仕上げることができるだろうか?
このポイントを意識することで円滑な進行を実現するとともに部下の能力を引き出し、高めることができます。

人には「本当は3日でできるけど一応余裕を持って5日間を設定しよう」といったように、のりしろを用意してしまう傾向もあります。1つ1つは小さな余白であってもそれが積み重り、プロジェクト全体に大きな遅延を招くことも。ゴールを設定するとき、特に部下側からゴールや期限の申請がある場合には「それが本当に適切か」「この部下はもっと優秀にできるのではないか」とリーダーが検討することです。

人は無意識のうちに自分で枠や制限を設けがち。そんなとき、リーダーが「今週中に仕上げて欲しい」とリクエストをしたり、「半分の期間でそれをできないだろうか」と問いかけることで、部下は既存の方法から離れ最大のパフォーマンスを発揮するにはどうすればいいかを考え始めます。このように部下から提示されたゴールや期限に対して、「3倍の成果」や「半分の期限」など高レベルのリクエストをすることで、部下のスピードを上げたり潜在能力の発揮やスキルアップを後押しすることができます。

一方で、チャレンジングな目標や期限を口にしつつ、結局未達成に終わるということを繰り返している部下には、逆の検討が必要。失敗体験の積み重ねは、自信とモチベーションを低下させます。そのような傾向のある部下とは他の仕事のスケジュールとの兼ね合いなどを共に検討しながら、適正なゴールや期限を設けることが彼らの自信や成長につながることに留意して下さい。