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鈴井貴之 自伝本『ダメ人間』インタビュー(3ページ目)

『水曜どうでしょう』(HTB)のミスターこと鈴井貴之が、20代の若きダメダメな日々を赤裸々に語った自伝小説『ダメ人間 ~溜め息ばかりの青春記』を出版。ダメな日々から現在までについてインタビュー!

執筆者:All About 編集部

CREATIVE OFFICE CUEの社長として/映画誕生の秘話

鈴井貴之 写真3
Q:なるほど。逆と言えば、鈴井さんはタレントでありながら社長です。普段はどういう仕事をされているのでしょうか?
A:朝出社し、社長室に入り、提出されている書類に目を通し、ハンコを押しております(笑)。一方で、半分くらいは、書き物をしたり、TVや映画の企画を考えたり、自分のワークをしています。実業団のスポーツ選手みたいな感じですね。午前中は仕事して、午後からバレーボールします、みたいな(笑)。

Q:会社が成功した理由は何でしょう?
A:何をもって成功というのかは分からないし、自分では成功したとは思っていません。まだまだこれからも目標はたくさんあると思います。ただ、こんなヤツで紆余曲折あり時間はかかりましたけれど、20代に描いていたことで実現できたことはたくさんあります。

映画を監督させていただけたり、本を出版できたり、自らの劇団は解散してしまいましたけれど、弊社所属の演劇ユニット「TEAM NACS(チーム・ナックス)」が全国的に認知されるようになったことなど、描いたことが一つひとつ実現されました。すごく幸せなことですが、なぜ実現できたかと考えると、それは本当にウソ偽りなく、「出会い」ですね。多くの人々が力になってくれ、一つの形になったと思います。

一番顕著なのは、僕が映画監督になれたことです。最初は、自分の会社でデジタルムービーで30分くらいのドラマを作りたい、うちのタレントをキャスティングして僕が監督したい、という話をしました。その時は、昔と同じでちゃんとしたビジョンがあるわけではなく「作りたい作りたい」という思いだけでした。

「作ったものをどう展開する?」と言われると、そこまでは、考えてない。そんな中途半端なものを作ってもしょうがない、もっと多くの人に相談してみたら?となり、まずは『水曜どうでしょう』をやっていたHTB(北海道テレビ放送)さんに相談したら、「いや、おもしろそうですね」となり、さらに地元の企業に声を掛け協力してもらい、映画になったんですよ。周りの人たちが「せっかくやるならもっとちゃんとしたものを」と導いてくれたんです。

ですから、うちの会社ががむしゃらにやっていったのではないです。社名の『CREATIVE OFFICE CUE(クリエイティブオフィスキュー)』のCUEは「きっかけ、合図」という意味で、きっかけ作りの会社にしようと思ったんです。大きなことをバーンと成し得る企業ではなく、「よーい、ドン!」のスタートの合図をして、どう走るかはみんなで考える。周りの企業が我々の会社を大きく育ててくれました。なので大事なのは本当に「出会い」ですね。

Q:この本を読んだ後だと、非常に謙虚すぎに感じますが(笑)。
A:いや、だからこのダメダメ時代があったから、今は真っ当になろうという。時々またダメになるんですけれど(笑)。

>>>次ページでは、今後のミスターについて質問!
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