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バタ・貧の理由と脱出戦略思考法

時間もお金もない【バタ・貧】社長は、なぜいつもバタバタ忙しいのに、儲からないのか。著者自身の経営体験を基に、その理由を解説。

執筆者:藤井 孝一


【バタ・貧】の理由と脱出戦略思考法

 著 者: 九鬼政人 (著) 体 裁: 単行本:268 p
 サイズ(cm): 19
 出版社: 総合法令出版
 ISBN : 4893468480
 発行日: 2004/06/07

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一口に社長と言っても、時間もお金もない【バタ・貧】社長、お金はないが、時間はある【ブラ・貧】社長、時間はないが、お金はある【バタ・金】社長、時間もお金もある【ブラ・金】社長の4タイプに分かれる。誰もが【ブラ・金】社長に憧れるが、現実は【バタ・貧】社長のほうが多い。では、なぜ【バタ・貧】社長は、なぜいつもバタバタ忙しいのに、儲からないのか。著者自身の経営体験を基に、その理由を解説。そして、【バタ・貧】脱出のための方法を伝授する。

●今週の選書について

私もたくさんの経営者とおつき合いしていますが、確かに本書でいう「バタ・貧」社長は、たくさんいます。彼らの多くは「忙しい=儲かっている、または、いずれ儲かるはず」と考えています。

だから「忙しい」といいながら、まんざらでもない様子です。反対に「忙しい」と言い過ぎると自慢になると思うのか、やたらと「貧乏ヒマ無しで」なんて付け足して謙遜しているつもりの人もいます。

反対に「ヒマで…」なんて言おうものなら「あそこも大変みたいですよ」なんてウワサが流れかねません。だから、異口同音に「忙しい、忙しい」を連発しているのです。

これは、経営者だけでなく、サラリーマンも同じです。ただサラリーマンの場合「忙しいこと=会社に必要とされている人、仕事ができる人」となるようです。結果的に、こちらも長時間労働の自慢合戦になります。



私自身、若いころは「忙しい=仕事ができる、かっこいい」と思っていました。だから意味もなく会社に残り、休日や早朝にも出社して「仕事が終わらなくて」なんて吹聴していたこともあります。

今思えば、そう言って周囲に自分がいかに会社から必要とされているかを誇示しようとしていたのです。体育会の人が、飲み会の席などで、練習の過酷さを吹聴するのに似ているのかもしれません。

しかし「忙しさ」と「収入」や「能力」は、全く比例しません。むしろ、暇な人のほうが、有能で、儲けていることが多いのです。現に、本当のお金持ちはヒマそうです。

彼らがヒマなのは、資産を切り崩して生活しているからではありません。ヒマをしながらも、忙しい経営者やサラリーマンより、よほど稼いでいます。


●週末起業家も【ブラ・金】を目指せ

うまくいっている人ほどヒマなのは、私が実体験の中で、痛感していることです。読者の皆さんの多くはご存じだと思いますが、私は会社を辞めずに起業する「週末起業」というコンセプトの普及をライフワークにしています。

そんなわけで「週末起業」の成功例もたくさん見てきました。それぞれの事例に共通点を求めると、成功の秘訣が見えてきます。

特に、週末起業では、成功の秘訣は時間との関わり方にあります。一般の起業家と比べて、さらに時間の制約があるからです。時間との兼ね合いでみると、成功には2つの方法があることがわかります。

一つは、仕事の時間単価をあげることです。具体的には、コンサルティングなど付加価値の高い仕事をして、時間単価をあげるのです。これなら週末という限られた時間でも、十分稼ぐことができます。

ただし、こうした仕事は自分自身が働くことが前提です。どんなに単価が高くなっても、働かなければ一円にもなりません。時間は誰にとっても平等に24時間ですから、稼げる金額には上限があります。



実は、成功するには、もう一つの方法があります。それは自分のビジネスを、時間とは関係のないビジネスに育てることです。

たとえば、前述のコンサルタントの例で言えば、自分の分身となるコンサルタントを雇うのです。すると自分がクライアントのもとにはせ参じたり、自らレポートを書く必要がなくなります。

もちろんコンサルタントの管理という仕事が発生します。しかし、その部分にも人を雇えば、自分が働かなくてもビジネスが回り、お金が入ってくるようになります。こうなれば、ビジネスは加速度的に大きくなります。

「週末起業」に否定的な人は、成功者の話を聞いても、短絡的に「週末まで仕事なんて悲惨だ」などと言い、聞く耳を持ちません。

しかし、週末起業で真の成功を治めると、終業後や週末にすら働く必要がなくなります。自分が何をしていようと、勝手に自分のビジネスが回り、勝手に自分の口座にお金が払われるようになるのです。


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