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ビジネスを育てる(2ページ目)

ビジネスこそマルチな表現手段!著者の体験をもとに書かれた本書には、時代や国境を越えた生きた教訓が数多く語られている。世界で200万部売れたロングセラー。

執筆者:藤井 孝一


【1】

本書のテーマはビジネスの育て方だ。ここで言う「育てる」という言葉には、つぎの3つの意味がある。
 ・自分の周囲の世界に関心を持つ
 ・人から学ぶ
 ・自分を変える

あなたは自分自身の中に、これから始めるビジネスについてのアイデア、知識、スキルを持っている。あなたは自分が思っている以上に、自分のビジネスについてよくわかっており、思っている以上に早く学ぶことができるはずだ。

ビジネスの成功は、ひとえにあなた本人にかかっているのだ。あなたが世界に2人いないように、あなたのビジネスもかけがえのない唯一絶対のものだということを、まず認識して欲しい。

「ビジネスをする」ということは、お金儲けを指すのではない。あなたが、ほかのだれでもない、あなた自身になるための道なのだ。

【2】

まず、始めなければ始まらない。ビジネスアイデアなるものは、耳にタコができるほどあちこちで聞くし、その多くは素晴らしい。問題は、そのアイデアをどう始めればいいのかわからないことだ。

始めに、あなたのビジネスアイデアをわかりやすいエッセンスに凝縮してみよう。できたら、さらに、ぎゅっ、と絞ろう。全国で店舗展開するチェーンも、初めはごく小さな種子から出発したのだ。ビジネスは初めが肝心。初めで成否が決まったようなものだ。

はじめに、業務全般を正しくコントロールできる力をつけよう。業務がどんな要素で成り立っているのか知ろう。このことは、後に業務分担の割り振りができるようにするためにも必要だ。

最初の、こうした地道なプロセスを飛ばしてはいけない。後々トラブルの原因になる。どんなに成功したビジネスであっても、最初は地味な業務から始まったのだ。

【3】

手垢のついた常識とやらはこう言う。「起業家はリスクを好むものだ」しかしそんなものに騙されてはいけない。起業家はリスクを避ける人種なのだ。

起業家がひとたび製品・サービスに需要が見込めるとみるや、もう彼らの目には、たちふさがるリスクなど霧消してしまう。たとえ部外者の目には立派なリスクであったとしてもだ。

アリス・メドリッチは今や大成功したココラというデザート・ベーカリーの共同創業者だが、彼女がバークレーで第1号店を出す時、リスクがあるなんてことにはまるで関心がなかったそうだ。

アリスは自分のチョコレートが最高だと知っていたし、顧客も最高と認めてくれると知っていた。この時アリスが見ていたものはチャンスであって、リスクではなかった。

リスクばかりが目立つようなら、もう一度考え直したほうがいい。考え直して、それでもまだチャンスよりもリスクのほうが多いのなら再考の余地ありだ。あなたの直感は正しいのだ。

【4】

スモールビジネスにとって最大の問題は資金不足である、という昔からある言い草には賛成できない。

ビジネスにとって、最大の問題は想像力の欠如であって、資本ではない。創業間もない企業がイージーに資金を手に入れられることは、創造性をスポイルする悪しき影響を持つ。

お金持ちの企業はコンサルタント、弁護士、賢い会計士、広告代理店、市場調査などなどを簡単に雇ったり手に入れたりできる。そういうわけにはいかないお金のない企業は夢見たり、想像したりする。

そしてこの、夢見たり、想像したりが重要なのだ。ハングリー精神は物事が正しい方向へ進むことを加速してくれるのだ。

お金ですべてが解決するのであれば、スモールビジネスの出番などない。資金が豊富にある大企業がすべてをやればいいのだから。スモールビジネスは、お金で解決できないたぐいの問題に取り組むからこそ、この世に生まれたのだ。




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