起業・会社設立のノウハウ/フリーランスになる

個を大切にする会社形態、それがLLC!(2ページ目)

フリーランスの連携をカタチにする、LLP・LLCの取材特集の第2回目です。Web制作のユニットを経て、4人でLLCを結成した、合同会社CGFMをご紹介します。立ち上げまでのプロセス、組織を作ったメリットとは?

執筆者:塚田 祐子

それぞれの個を大切にでき、法人格を持つ会社形態
それがLLCだった

金内さんたちが、法人化の手段としてLLCを選んだ一番の理由は、会社という箱ではなく、それぞれの個を大切にしたいから、ということでした。

「それぞれの個を大切にできて、法人格を持つ会社形態、それがLLCだったのです。LLCの特徴として注目した点は以下の点です。

・出資額によらず、能力や貢献度を考慮した損益分配が可能。
・業務執行権は原則として全社員が有する。

元来フリーランスは上下の関係よりも、自身の力を発揮できる場を望む人が大半です。また頑張れば頑張った分だけ収入が増えるという形態でもあります。そういったフリーランスが集まり、会社形態となるのですから、お互いの関係をベストに保つためにもフラットな関係を維持できる組織形態が必要でした。

株式会社と違って株主総会をしなくても、貢献度に応じた給与設定が社員の同意のみで出来る点も魅力的でした。各人のモチベーションを維持するためにも、これは重要な事でした。いくら頑張っても評価してもらえない会社は嫌ですからね(苦笑)。」

周囲の目が変わったのを実感!
しかし、一番変わったのは内面的な部分だった

ユニットで継続的に活動することも、十分に共同・協力できる形態です。しかし、法人化という「形」を作ることで、対外的なことだけでなく、精神面で大きな変化が起こったそうです。

「当初は周囲の目が変ったのを実感しましたね。法人化する事で同業者や周囲から一層信頼していただけるようになりました。ですが、一番変わった部分はもっと内面的な部分でした。

まず、お互いの結束が強くなりました。今までは“自分のスキルをどう高めていくか?”という一人称的な考えだったのですが、LLCになってからは“仲間のためにも自分のスキルを最大限生かすにはどうしたらいいか? 仲間のスキルを最大限発揮してもらうには自分はどうしたらいいか?”ということを考えるようになりましたね。

何よりも、そういう事を考られる頼もしい仲間と共に活動できる事が、一番大きいですね。

つぎに、コスト意識が高まりました。今まで個人だったので、自分の生計が成り立てば良かったのですが、今後の会社の運営を考慮した時間・コスト配分を立てるようになりました。」

対等の立場で仕事をしたいという想いから
社名は4人の頭文字から

社名には、それぞれ創業者の想いがこもっているものです。「社名は、4人のハンドルネームの頭文字を並べ替えたものです。4人とも対等の立場で仕事したいという想いからです。形式上、代表社員は金内和子としていますが、発言権、権限など、社員は全員平等としています。

損益分配は話し合いに基づき行っていきます。今後会社の経費で機材・設備を購入していく事になりますが、これは4人全員の賛同を原則としています。」

ツールを活用すれば、仕事場は選ばない

もともとHome Officeで仕事をしていた、金内さんご夫妻。法人化しても、事務所は設けずに、各自の自宅で作業。「仕事場は各自の自宅、各部屋です。Webベースのグループウェアやバージョン管理システムを活用しているため、仕事場は特に選びません。普段もSkypeで会議したり、チャットで打ち合わせしたりします。

とはいえ、週一回は必ず本社に集まりミーティングを行っています。
やっぱり実際に会った方が、アイデアや面白い意見も出やすくなりますね。」

LLCを作ってのメリット・デメリットは? 次ページへ続きます>>
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