必要経費と確定申告・確定申告と所得税の関係
確定申告の効力は必要経費の知識から
・事務所関連費…家賃、電気代、通信費
・車の経費…ガソリン代、月極駐車場代、修理代、車検代、自動車税、自動車保険料
・備品、消耗品代
・打合せ飲食代…会議費、交際費
・新聞図書費
・研修費
・書籍代
個人事業主の場合、1年間に得た所得については自分で確定申告し所得税などを納付する必要があり、所得税は1月1日から12月31日までの1年間に得た事業所得(利益)に対して課されます。事業所得は以下のように年間総売上から必要経費=事業を行うために必要な経費 を差し引いて求めていきます。
年間総売上-必要経費=事業所得(=事業で得た利益)
所得税は、確定申告による事業所得をもとに金額が算出されるため、重要になってくるのが必要経費です。必要経費をモレなく計上すると課税額が抑えられ節税につながりますが、計上モレが多いと課税額が大きくなってしまいます。ただ、いざ記入する段階になって、必要経費として認められるのかどうか判断に迷うものがありますよね?
そこで計上可能な経費について詳細を見ていきましょう。
<目次>
<確定申告の経費>
確定申告の経費1. 事務所に関する費用
フリーランスの場合、自宅の一部を事務所として使用するケースが多いかと思います。その場合、どこまでを経費にしていいのでしょうか。中でも個人で使う部分、仕事で使う部分が混在している経費は判断に迷うところです。このような経費を『家事関連費』といいます。この家事関連費はそれぞれの合理的な計算根拠に基づいて按分計算することにより、必要経費として計上する金額を算出します。以下のように計算しましょう。
■家賃
1ヶ月の家賃×仕事で使う面積の割合
例えば、家賃12万円/月、60平米の自宅マンションのうち、20平米の部屋を仕事場として使用しているとします。その場合、12万円×20平米÷60平米=4万円が必要経費として計上できることになります。
■電気代、通信費
電気代、固定・携帯電話代、インターネット接続費などは使用割合によって求めます。
例)1ヶ月の電気代×1ヶ月の総営業時間÷1ヶ月の総時間数
確定申告の経費2. 車に関する費用
自家用車を仕事に使用することもありますよね。その場合は、以下のように考えましょう。■ガソリン代
給油したガソリン代×使用割合
注:使用割合は週または月のうち何日を仕事で使用するか
■月極駐車場代
1ヶ月の駐車場代×使用割合※
■その他
修理代、車検代、自動車税、自動車保険料、車の減価償却費も上記同様に使用割合により按分計算します。なお、100円パーク、高速料金などは、仕事で使用した分の領収書が必要経費となります。
確定申告の経費3. 備品・消耗品に関する費用
パソコン、周辺機器、文房具、コピー用紙、机、いす、本棚なども仕事で使うものは必要経費になります。ただし、一組10万円以上のものは固定資産となり減価償却費の計算などが必要となります。特例などもありますが、基本的にパソコンなどを購入するときは、1組10万円未満のものを購入する方が節税にもなり、減価償却費の計算もなくてラクです。■消耗品費
1組10万円未満のパソコン、周辺機器、備品、文房具、机、いすなど
■固定資産として計上&減価償却費計算
1組10万円以上のパソコン、備品などは固定資産として計上。耐用年数に応じた減価償却費の計算が必要。減価償却に関しては政策的に各種特例あり。
確定申告の経費4. 打合せ等での飲食に関する費用
取引先との飲食しながらの打合せ、仕事仲間との飲み会での情報収集。これも必要経費として落とせます。必ず領収書をもらっておきましょう。ワリカンの場合も同様です。また、あとで説明できるように領収書には打合せなどの相手、人数、用件などをメモしておきましょう。■会議費
取引先との打合せ飲食代など
■交際費
取引先へのお中元、お歳暮、手土産代、仕事上の冠婚葬祭参加費用など
確定申告の経費5. 新聞・書籍代・研修に関する費用
本やDVDの購入費用、セミナー受講費用なども、仕事に直接必要なものであれば必要経費となります。■新聞図書費
新聞代、書籍・雑誌・DVDなどの購入費など
■研修費
セミナー受講費用など
注:ただし、資格取得費用に関しては、その内容により判断や扱いが微妙なところです。事前に税務署等に確認しておくことをオススメします。
確定申告で必要経費にならないものは?
以下については事業所得の必要経費ではないので、ご注意ください。■所得税、住民税(事業税は必要経費)
■国民健康保険料、国民年金保険料(所得控除の扱い)
■借入金の返済(仕事上の借入れに関する利息は必要経費)
■交通反則金(駐車違反など)
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