目指す年収を獲得するために、必要な売上はいくら?
では、前号で算出した経費を参考にしながら、目指す年収を得るためには、どのくらいの売上が必要となるのかをシミュレーションしてみましょう。
以下の表は、年間売上別に事業経費を予算化して、年収金額を算出したものです。この表を参考にして、是非実際に作成してみてください。この表では、自宅を事務所にした場合を前提にしています。
シミュレーションして赤字が出る場合は、経費を押さえるか、売上を上げるか、外注費を削るかの3つの方法しかありません。現実的な数値を入れて、色々と試算をしてみてください。
■売上目標と年収金額
*1 自宅事務所の場合、家賃、水道光熱費、通信費(電話料)等は家事関連費と呼び、仕事に使用する割合分が必要経費として認められます。
最終的に手元に残る金額はいくら?
事業所得金額から所得税が引かれ、さらに住民税、国民健康保険、国民年金等の社会保険料が差し引かれます。
それでは、会社員の手取り金額と同等となる金額はいくらになるのか、合わせてそこも掴んでおきましょう。以下は、前掲の所得金額に対する、税金・保険金額の概算です。
■税金・保険料控除後の金額
*1 所得税:課税所得金額(年収)×税率。330万円以下は10%、330万超~900万円以下は20%。実際には、<(事業所得金額-青色申告特別控除-社会保険料控除-基礎控除)×税率-税額控除>となりますから、概算金額より低くなります。
*2 事業税:事業所得金額が290万円を超えると事業税5%がかかります。
*3 住民税:住民税の速算表により概算。課税所得金額が、200万円以下は5%。200万超~700万円以下は10%。
*4 国民健康保険料:(医療分/所得割:住民税額×1.94+均等割:26,100円)+(介護分/所得割:住民税額×0.17+均等割:7,200円)※介護分は介護分は40~64才の方のみ対象。
以上の税金・保険料は、あくまで概算です。重要なポイントは、所得税を除き、それ以外の税金や保険料は、翌年になってから請求されるということです。ですから、それらの金額をあらかじめ留保しておかなければなりません。
さて、計算の結果は、いかがでしょうか?
売上金額に対する経費、差し引きしての収入金額。さらに、税金や保険を控除した後に残る手元金額。自営計画書の作成を通して、仕事を数字で把握するセンスを身につけていただきたいと思います。
ガイドおすすめ書籍
一歩踏み出す前に9割が決まる! 「フリーランスの独立マニュアル」の内容を収蔵。会社を辞める前に、独立する前にぜひ読んでいただきたい「独立成功への教本」です。独立準備から独立1年目をどうクリアしていくかへ絞り込んで、細かく解説しています。 ⇒詳しくはコチラから |
>> 次号 「仕事の値段のつけ方」へ
>> 【連載】フリーランスの独立マニュアルの目次へ
■関連記事・リンク集
・フリーランス・個人事業の始め方マニュアル
・独立開業へステップ by ステップ
・フリーランスの独立・開業手続
・初めての青色申告ガイド
・クリエイターのための自営学