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不況に強い!米国の新ネットビジネスとは?

景気が悪くなり、「今、起業するのはちょっと不安…」と思う人も多いことと思います。しかし、この不況が逆にチャンスとなるインターネットのビジネスモデルがアメリカに存在します。

執筆者:日下 康幸


起業の新しい分野、「クラウドソーシング」とは


スレッドレス<br>
アメリカで人気のTシャツデザインサイト「threadless」
前回の記事で、クラウドソーシングによるデザインコンテストサイト「MILLION DESIGNS」を紹介しました。が、そもそも「クラウドソーシング」とは何でしょう?簡単に言うと、今まで特定の企業、機関に依頼していたものを、インターネットを通して、大衆(crowd)にアウトソーシング(soucing)することです。

皆さんにも身近なクラウドソーシングの代表格は、オンライン百科事典の「Wikipedia」です。世界中の人々が1冊の百科事典を編纂する「Wikipedia」は、ネットを通じて多くの人が自分の詳しいところだけを書き込み、それが集合体となって成立しているクラウドソーシング百科事典です。どんな専門家でも、1人で1冊の百科事典を作ると何年もかかりますが、その分野に詳しい一般の人が100人、1000人と集まれば専門家に勝るものが出来る、という訳です。

また、「はてな」などユーザーが質問を投稿し、多くの人がその質問に答えるというQ&Aサイトもクラウドソーシングの一種です。

今までは上記のように、一般ユーザーから一般ユーザーに対するクラウドソーシングがメインでしたが、今は、企業のニーズを一般ユーザーに求めるビジネスとしてのクラウドソーシングが台頭してきています。

このクラウドソーシングは、欧米を中心に発展し、現在ではデザイン、アパレル、広告、マーケティングから、企業や大学のR&D(研究開発)、銀行業にまでその分野は多岐に及んでいます。特にアメリカでは、数多くのクラウドソーシングビジネスがネット上に存在します。

では、代表的なものをいくつか紹介しましょう。

threadless(スレッドレス)
Tシャツデザインのクラウドソーシングサイト。一般のデザイナーが自分のTシャツデザインをアップ。
サイトを訪れたユーザーがデザインに優劣をつけ、人気のデザインだけを商品化する。

iStock Photo(アイストックフォト)
写真、イラスト素材のクラウドソーシングサイト。一般のユーザーが写真やイラストを投稿し、誰かがその写真、イラストを購入したら、サイトから使用料が払われる仕組み。今まではプロの写真家、イラストレーターの作品を高額で購入しなければならなかったが、このサイトでは安いものだと1ドルからダウンロードできる。日本語版もあり。

OpenAd(オープンアド)
広告のクラウドソーシング。広告主がキャンペーンやCMなどのアイデアやクリエイティブをOpen Adに求め、登録しているクリエイターが投稿。
選んだクリエイティブやアイデアを使う場合は、OpenAdがコミッション(手数料)を取り、残りはアイデアを出したクリエイターに支払われる。

では、何故クラウドソーシングが不況に強いビジネスなのでしょうか?

次のページではその理由を説明します。
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