起業・会社設立のノウハウ/フリーランスになる

コンサルタント業を目指すには?(2ページ目)

自分の専門分野やキャリア、蓄積したノウハウを活かして、独立開業できる職種に「コンサルタント」があります。そこで、業界の現状や気になる報酬の相場、目指す方へのアドバイスを、専門家にお伺いしました。

執筆者:塚田 祐子

ニーズが多い定番は、人事系とマーケティング系


---今、人気のコンサルティングの分野は?

ニーズが多い定番は、人事系とマーケティング系です。

人事制度を作り変えるとか、給与体系を変えるとか、人事・労務系、人の教育がらみです。マーケティングはいかに商品づくりから顧客に届けるまでの流れを最適な形にするか。そして、営業部門をいかに盛り上げるか、売上・利益などの業績をいかにアップさせるかです。

最近目立ってきている案件としては、情報セキュリティ、個人情報の保護に関する分野です。社会的な事件や法規制ということもありますが、情報セキュリティのレベルを強化したいとか、プライバシーマークを取りたいといった話が増えています。

また、クライアント企業が、必ず条件の1つとして求めてくるのが、業界知識、情報がある方なんですね。◯◯業界について精通しているという「業界スペシャリスト系」や「技術系スペシャリスト」の方は、一点突破しやすいです。これは医療でも、ITでも、ホテルのようなサービス業でも、飛び抜けた専門性があれば必ずニーズがあると思います。

コンサルタントの旬は30~40代!

---コンサルタントの年齢は、ある程度高い方が有利ですか?

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コンサルタントの“旬”は、実は30~40代ではないかと感じています。ある程度の社会経験と、柔軟性、対応力の両方が求められるからです。高い年齢でいきなりコンサルタントになっても、なかなか自分自身を変えていくのは難しいものです。パソコンやインターネットに対応できないのもマイナス要素です。

シニアの方は、特に1つの会社でずっと定年までいた方は、会社の価値基準によって、かなり片寄ってしまっている場合が多いんです。アクティブシニアの皆さんが、定年後にコンサルタントとして、というのは分かりますが、すぐにコンサルタントで成功するのは、現実的にはかなり難しいと言わざるを得ません。

これは、人によって事情は違いますが、定年後のシニアの方は、年金が入ってプラスαでコンサルでもというという方が多く、ハングリーではないことがネックとなります。企業は生存競争にさらされていますから、定年後の暇つぶしに仕事を、というような感覚では断わられます。

もちろん年代だけで論じるつもりはありません。60代を超えても、迫力ある本物のプロも多くいらっしゃいます。


経営コンサルタントの料金相場は?

---コンサル業務の料金はどのように見積を?

料金設定は、稼動の時間ベース、日数で決まります。

これは、大手の外資系ファームから、個人のコンサルまで変わりません。成果に対してのサービス対価という本質とは違うんだけど、現在は、そうせざるをえないというところです。過渡期と言えるかもしれません。

基本的には、企業へ出向いて、拘束される日数や時間チャージで設定されます。時間単価は、時間外の業務の作業量や質により設定されます。

---事例とか、相場の金額とかはありますか?

コンサルタント料の相場
経験値から言うと、中小企業の場合では、1日10万前後が相場です。ランクとしては並の価格です。月2回企業を訪問して、月額だと20万。

例えば、ISO取得のサポートだと、年間契約で200万程度です。月2回で24回とすると、月額は17万弱位になります。

ただ、時間単価をいくらに設定するかは、コンサルタント本人が決めるものですから、高く設定して徹底したハイサービスする方もいれば、低く設定して回転率を上げようという方もいます。

いずれにせよ、プレイヤーが増えて選択肢が増えると市場原理が働きますから、価格競争はどんどん厳しくなるのではないでしょうか。すでにISOなど供給が多い分野では、相当値崩れしていると実感しています。人と同じ事をしていては、生き残っていくのが難しいかもしれませんね。


経営堂
1:経営コンサルタント探しの『経営堂』では、提携コンサルタントのプロフィールと「報酬基準」を公開していますので、料金相場の事例として参考にしていただけるかと思います。


では、コンサルタントを目指すには?、次ページへ続きます>>
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