そこで、印鑑の種類や役割、仕事用にどんな印鑑が必要になるのか、押印する時の注意などを確認しておきたいと思います。
個人の印鑑の種類と役割
会社で仕事をしている時には、シャチハタ1本(認印)あれば用が足りていたけど…。しかし、社会人になったお祝に「印鑑セット」のプレゼントがあるように、個人でも社会的な責任を負うようになると、キチンとした「印鑑」が必要になります。それでは、先ず個人の場合、どんな場面で印鑑が必要となり、どんな印鑑を使っているでしょうか。
■どんな時にハンを押す?
・書留郵便や宅配の荷物を受取った時…………認印
・銀行や郵便局で口座を開設する時……………銀行印
・契約書などの重要書類に記名捺印する時……実印
私たちは通常、用途に応じて<認印><銀行印><実印>といった印鑑を使い分けています。仮に、印鑑1本で全て間に合わせていたとしても、それぞれの役割があるということですね。
認印:これは文字通り「認めたことを証する印鑑」のことで、最も頻繁に使用される印鑑です。郵便物や宅配の受取伝票などに押印しますよね。文房具店や100円ショップで売られている手軽な印鑑を「三文判」と呼んで、安いため安易に扱ってしまいがちですが、“本人が押印した事が証明できれば”法律上の効力は「実印」と何ら変わらないので注意が必要です。
銀行印:「銀行やその他の金融機関で預貯金の口座を開設する時に使われる印鑑」です。陰影を届出て、預金を引出す時には、必ず同じハンを使わなければなりません。お金を動かす際に必要となる重要な印鑑です。
実印:住民登録している市区町村役場に「印鑑登録をした印鑑」のことです。必要な時に「印鑑証明」を発行してもらいます。実印は、契約書や公正証書など、法律上、社会上の権利義務が発生する書類の作成に使います。印鑑の中で最も確実なものであるため、取扱いや保管には注意が必要となります。
※実印として印鑑を作っても、登録しなければただのハンコ、実印としての効力はありません。
会社の印鑑の種類と役割
それでは、会社の印鑑にはどのようなものがあるのか。主な印鑑は、次の3つです。代表者印:「会社の実印」にあたるものです。会社を設立する際に、この印を法務局に届出して登録しなければなりません。「代表者印」は、登記申請や小切手・手形の発行、契約締結時などに使われ、「印鑑証明」を添付すると、会社の代表者が取引を行ったという重要な証拠になります。形は通常丸型二重枠で、外側に会社名、内側に「代表取締役印」と彫られていて、個人の印と区別されます。
銀行印:「銀行との取引契約に使用する印鑑」です。手形や小切手を振出す時に使います。形式は「代表者印」と同じですが大きさや印影の書体を変えます。区別する場合は、内側に「銀行之印」と彫ったりします。
※「代表者印」で「銀行印」を兼ねることも可能ですが、会社の実印と日常業務で使う銀行印とは、安全性から別にしたほうがよいと言われています。
会社印(角印):「会社名を彫った角形の印鑑」で、会社の象徴となります。「会社印」は、請求書や見積書、領収書、契約書などの文書の社名の所へ押印されます。通常「(社名)之印」と彫られています。
それでは、会社ではないフリーには、どんな印鑑が必要になるのでしょうか? 次ページへ続きます。