●サイトリニューアルが
集客力アップのきっかけに
雑誌や新聞にも引っ張りだこ。飛行機ラジコンの世界でもじょじょにその名を知られつつある「リトルベランカ」ですが、2000年末のオープン当初は先行きが危ぶまれるほどの不調ぶりでした。「当時、ネット通販の売上はなんと月商約5万円だったんです。これは失敗したかなと内心、冷や汗ものでした(笑)」。転機は、ホームページのリニューアル。
「悩んでいたとき、たまたま目にしたのが大阪にある釣り具店のホームページ。これが、テキスト中心の極めて実質的なものだったんです。商品の1点、1点に詳しいスペックが載せられ、実際の使用感を釣り人の視点で綴ってある。それまでのリトルベランカのホームページは写真が多く、ビジュアル性を重視したものでした。読み手が持つ、飛行機ラジコンへのイメージを刺激できれば、と思っていたんですが――」。しかし、結果は裏目に出ていたと、小林さんは振り返ります。
「ホームページを訪れる人が欲しいのは、あくまで『情報』なんです。商品の写真だけで購買意欲を刺激することはできません。商品解説だけではなく、ファンが知りたい情報提供も大切です」。そこで、写真やイラストを最低限にとどめ、その分、文字を増やす大工事をおこなったそう。初心者向けには基礎知識を、マニアにはイベント情報などの読み物コーナーを設け、訪れた人がひきこまれるような工夫もしたといいます。
●クリック&モルタルの必須アイテム
POSシステム
さらに小林さんが力を入れているのは、体験レポート。実際に商品を飛ばした実感を綴り、特徴を説明しています。「このコーナーで取り上げた商品には、購入希望者が集中します。ですから『これは』と思った飛行機ラジコンは、実際に飛ばすようにしています」
現在、リトルベランカが導入をもくろんでいるのは「POSシステム」です。今のところ、ネットショップと実店舗の在庫確認はアナログの作業。ともすれば売り切れの商品であるにもかかわらず、サイトに載せてしまうなどのミスも起こりやすいのが悩みのタネだそう。そこで踏み切ったのが、両方の在庫をリアルタイムで一元管理できるPOSシステムの開発です。「2004年2月には導入の予定。このシステムが稼動すれば、無駄な在庫チェックに要する時間と労力が不要になり、おおいに仕事しやすくなるはず。小規模物販会社には、必須アイテムですよ」。
インテル・ジャパン時代、半導体ブームの息吹を肌で感じていたという小林さん。「刺激的な世界でした。当時と同じワクワク感を、今も味わっています。ITビジネスの世界をもっともっと極めてみたいですね」
●PROFILE
小林睦夫さん(53歳)
1950年 北海道生まれ
なんと米国パイロット免許取得!インテル・ジャパン、ソフト販売会社、外資系IT会社経営などを経て、2000年、リトルベランカを開業。
ヒコーキショップ リトルベランカ