起業・会社設立のノウハウ/起業・独立資金を得る

外部から資金を調達する(3ページ目)

起業を志す人の中で、どれぐらいの方が開業資金の当てがついているでしょうか?事業の規模によっては到底自己資金でまかなえない場合もあります。

執筆者:日下 康幸

外部資本を入れるタイミングと方法

よし!
やはり最初は自分でがんばるしかない!
実際に起業する段階で、あなたの事業計画を元に資金が得られればすばらしいのですが、実際は企画書だけで実際に資金援助を得られるかというと、なかなか難しいです。外部資本を得るには、実際にある程度、形になったモノやサービスを完成させる必要があります。

例えば、あなたが新しいWebサービスを企画し実現しようとするのに、資金が必要でも、実際にはある程度完成し、サービスとして成り立っている、または売り上げが立っている様子が見えないとなかなか資本を得ることは難しいのです。それは投資家にとっても、事業が成り立つかどうかを見極めることが出来ないからです。

まずは、外部資本を入れてもらえる状態になるところまで何とか事業を進め形づくる必要があります。外部資本を組み込むことを前提で考えると事業の進め方、特に売り上げを立てることや事業規模の拡大している様を見せることに注力すべきでしょう。

外部資本の入れ方
外部資本を入れるにあたって、覚えておきたいのは、投資家に自分が自社株を買ったのと同じ額で与えてしまわないということです。例えば、今あなたの持ち株が100万円で100%だったとしましょう。もし900万を外部から調達し、等価で提供してしまうと、あなたの持ち株比率は10%になってしまいます。もう拒否権すら発動できません。こうなってしまうとあなたのやる気もなくなってしまいます。こういう立ち上げ時点で、どうやって外部資本を入れるかというと、あなたの会社事業計画を明確にし5年後ぐらい後のビジネスの予想を立てます。そして、その時どれぐらいの価値の会社になるから、今はこれくらいという風にあなたの会社の価値を設定します。

例えば、あなたの会社が実際は1000万の資本金の会社で、発行株式が1000株、あなたの持ち株比率が100%だったとしましょう。ここで1億の価値があると算定されたとすると、実際の株価の10倍の価値です。すると、第三者に割り当てられる新株は追加で100株となり、1000万入れてもらってもあなたの持ち株は、合計2000万の資本金となっても1100株のうちの1000株、つまり90.9%となるわけです。
私もこのような仕組みを知らず、外部から調達しかけて、大きなシェアを渡すことになりかけたことがありました。しっかり資本調達の知識を得てから、外部調達に望みましょう。またこのあたりについても詳しく触れたいと思います。

まとめ
やはりビジネススピードをアップさせるには資金が必要です。あなたのアイデアだけにお金を出してくれる人はそうそういないと思いますが、ある程度の規模のビジネスを考えるのであれば、どのタイミングなら調達できるか、その調達タイミングまでに自己資金でどこまでがんばるかなどを検討しながら進めていく必要があります。そして実際に調達する際には、資本の仕組みを理解して、望むようにしましょう。失敗すると会社が他の人の手に渡るなど、あなたのいままでの努力は全て無駄になってしまいますから。

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