マンションでも戸建でも中古物件を売買すると不動産業者に手数料として成約価格の3%+6万円を支払います。
この数字は宅地建物取引業法の『報酬額の規制』により決められている数字で、正確には
売買に係る代金の額が200万円以下 | 成約価格の5% |
売買に係る代金の額が200万円超400万円以下 | 成約価格の4% |
売買に係る代金の額が400万円超 | 成約価格の3% |
となります。
■実際に計算してみましょう
成約価格が1980万円の物件の仲介手数料を計算してみます。
200万円以下の金額は200万円×5%=10万円・・・? 200万円超400万円以下の金額は (400万円-200万円)×4%=8万円・・・? 400万円超の金額は (1980万円-400万円)×3%=47.4万円・・・? |
合計で?+?+?10万+8万+47.4万=65.4万円となります。
最初に書いた成約価格の3%+6万円というのは成約価格が400万円超の場合に仲介手数料を計算する速算式で
1980万円×3%+6万円=65.4万円 |
となるのです。不動産価格が400万円以下という場合は、ほとんどありえませんので仲介手数料といえば成約価格の3%+6万円となります。
■条文をよく見ると
ここで宅建業法の報酬に関する条文を見ると
『宅建業者が宅地建物の売買・交換又は賃貸の代理・媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによります。宅建業者はこの額を超えて報酬を受けてはなりません』(業法第46条第1項、2項)とあります。
「国土交通大臣の定めるところ」とは成約価格の3%+6万円を指し、一見すると、“あ、そうか”と見過ごしてしまいそうですが、よく見ると『この額を超えて報酬を受けてはなりません』とあります。
つまり“上限”がこの3%+6万円ということで、交渉次第では1%でも2%でも構わないという意味なのです。何の疑いもなく、仲介業者の請求されるままに払っている手数料ですが、3%+6万円でなければいけないという決まりはありません。
■言ってみるのはタダ
少しでも諸経費を安く抑えたいと思ったら手数料の交渉をしてみてはいかがでしょうか。「値引き交渉はみっともない」という考えは大間違えです。
補足ですが、仲介手数料には別途、消費税が5%かかる(業者が免税業者の場合は非課税)こと、一方、新築マンションの購入ではほとんどの場合は手数料を支払う必要がないことをお忘れなく。