宛先不明メールには2種類ある
宛先不明になるとMail Delivery Subsystemからメールが届く |
送ったメールが宛先不明になると「Mail Delivery Subsystem」という名前の送信者から「Returned mail: see transcript for details」というタイトルのメールが届きます。
届いたメールは英文ですが、中に書かれたメッセージで、なぜ宛先不明になったのかが分かります。
メールアドレスの形式は「aaa@bbb.co.jp」で、左側がユーザー名、右側がホスト名になっています。「@」の左側、つまりユーザー名を間違えると「User unknown」というエラーになります。これは会社のメールサーバーまで届いて、該当ユーザーを探しましたが、当社に該当するユーザーはいませんという宛先不明です。
「@」の右側、つまりホスト名を間違えると「Host unknown」というエラーになります。これは会社そのもの(ホスト名)がないということです。
宛先不明メールが発生する理由
宛先不明メールになる理由は様々です。個人の場合はメールアドレスの変更があります。ネットショップが懸賞で集めたメールに後日、DMメールを送ると、宛先不明メールがたくさん返ってきます。懸賞用にフリーメールで応募し、定期的に切り替えている個人が多いのが原因です。
宛先不明ではありませんが、受信者が契約しているメールボックスの容量が一杯になってしまい、オーバフロー・エラーで返ってくる場合があります。
卒業でメールアドレスが消去され一斉に宛先不明に |
会社では退職があります。退職者が出ると社内LANで使っていたユーザーIDと共に電子メールアドレスを消去します。これで宛先不明メールになります。
忘れてはいけないのが、複数社員でグループ用IDやグループ用アドレスを使っている場合はパスワードを変更することです。2004年に発生したソフトバンクBBの個人情報漏洩事件はグループ用IDがそのまま使えたことが発端でした。
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学校の場合は卒業があります。多くの学校では学生番号を電子メールアドレスにしており、卒業とともに電子メールアドレスが一斉に削除されます。企業が就活で集めたメールに4月以降に送信すると大量の電子メールアドレスが宛先不明で返ってきます。
これらは「User unknown」の宛先不明になる場合です。ホスト名が変わってしまい、宛先不明になる場合があります。
「松下電器産業」が「パナソニック」に社名変更しましたが、変更にあわせて、ホスト名を見直すとメールアドレスが変わってしまいます。またM&Aによって社名が変わる場合ケースもあります。
取引先などに周知が必要ですので、以前のホスト名をしばらく使い、新しいメールに転送するなど工夫している企業もありますが、いきなり替えてしまう企業もあります。ホスト名が変わると全社員のメールアドレスが変更になりますので、連絡を見落としたり、受け取っていない企業では宛先不明メールが大量に発生することになります。