昔から「地震・雷・火事」は怖い災害として誰もが対策を立ててきました。1982年(昭和57年)に起きた東京赤坂のホテルニュージャパン火災は死者33名、重軽傷者34名(消防隊員7名を含む)を出した大惨事として今も我々の記憶に残っています。ずさんな防火管理が原因とされていますが、東京新宿区歌舞伎町でのビル火災は同ホテル以上(死者44名)の被害者を出したことも最近の出来事です。
こうした事故を目の当たりにして火災は怖いことを再認識はするもののマンション住まいの方で避難訓練に参加したことがある人がどれ程いるのか、消火器の“正しい”使用方法を知っている方が何人いるのか・・・
改めて自問自答してみるきっかけにしたいものです。
■出火原因は「放火」と「たばこ」
平成14年中の火災の出火原因をみてみると1位は「放火(放火の疑いを含む)」で、続いて「たばこ」「ガステーブル」「火遊び」「たき火」という結果が出ています。
たばこによる出火はしばらくくすぶった後に炎を上げるため、無炎燃焼が長く、その結果燃えていることに気づくのが遅くなりがちです。出火に至った経過をみるとたばこの吸殻を不適当に投げ出したものが最も多く、次いで就寝前や起床後に吸ったたばこやたばこの灰が布団などに落ちたもの、外出の前に一服したが急いでいたため吸殻の後始末が不十分であったものなどが見られます。
いづれもチョッとした不注意によって大惨事を引き起こす危険があるのです。
さて、読者の皆さまのマンションがたばこの不始末が原因による火事で被害を受けたとしたらどうしますか?