■「失火法」とは
他人の物を壊してしまったり、第三者をケガさせたとしたら損害を賠償するのは当然ですが、ところが「たばこ」を出火原因とする火事により隣家まで延焼して損害を与えても責任を追及されないのです。これが「失火法」です。

【民法第709条】
故意又は過失に因りて他人の権利を侵害したる者は之に因りて生じたる損害を賠償する責に任ず。

【失火の責任に関する法律】(通称:失火法)
民法第709条の規定は失火の場合にはこれを適用せず。但し失火者に重大なる過失ありたるときはこの限りにあらず。


つまり民法709条では「意図的あるいは不注意によって他人に損害を与えた場合には、その責任をとらなければならない」としていますが、失火法で火災の場合にはこれを適用せずと例外規定を設けています。そして但し書きが続き「重大なる過失の場合はこの限りでない」としています。

■重過失とは
この重大なる過失(重過失)とは「当然払うべき注意を著しく欠く」ことで、放火などが該当します。判例によれば天ぷらを揚げている最中に台所を離れたすきに油に引火して火災を起こした場合や、寝たばこが重過失と認定された事例もありますが、日常生活におけるたばこの不始末などは軽過失とされます。

■心構えとして
マンションは鉄筋コンクリートでできていて木造住宅にくらべ火災には強く隣室へ延焼するケースは少ないと思いますが、一度発生すると人命にかかわり、また誰もが被害者にも加害者にもなる可能性があるだけに細心の注意を払ってもらいたいものです。
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