東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)が発表した首都圏マンション買い替え難易度によると、バブル期のマンション購入者を中心に買い替えが困難となっていることがわかりました。
【首都圏マンション買い替え難易度】 マンション購入者の資産デフレの状況を把握し、年収や貯蓄・住宅ローンの借り入れ条件などを加味した買い替え難易度を指数化したもの。難易度が100を上回ると一定のゆとりを持って「買い替え住宅」のローン返済(返済率25%以内で支払い)が可能となり、一方、75を下回る(返済率が33%を超える)と住宅ローンの借り入れ自体が困難となります。 |
資産デフレの状況を推計した売却損益額は1988~97年の10年間にマンションを購入した場合は500万円以上の売却損があり、1988~92年の平均売却損額は2066万円という結果でした。売却損が最も大きいのは1990年に購入した人で2692万円となっています。2700万円あれば郊外に新築マンションがひと部屋購入できるでしょう(笑)。
また、返済可能額と買い替え物件の住宅ローン額を比較した買い替え難易度は1988~97年は売却損が発生するため100を下回り、ゆとりある買い替えが出来なくなっています。バブル絶頂期の89~92年は特に厳しく難易度が75を下回ってしまいます。逆に1987年以前は100を超え、ここ5年(1998年以降)に購入した人も買い替え難易度が100を超えてます。
ここ数年の政府の住宅に対する政策をみていると、新しくマンションを購入する人にとっては有利な税制改革をおこなっていますが、既購入者に対する政策はゼロに等しいと感じています。売りたくてもローン残債が売却価格を上回ってしまい身動きができずに苦しんでいる人を救済するような手段を早く施してほしいものです。
これ以上、自己破産者を増やさないためにも切に願うばかりです。