企業のIT活用/システム導入方法

IT導入に施策を活用しよう(7) IT投資で税金が安くなる!?(3ページ目)

1月1日からIT投資促進税制がスタートしました。取得価格の10%相当額の税額控除と取得価格の50%相当額の特別償却との選択適用を認める制度です。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

経営者A「で、どれぐらい税金が安くなるのかね?今のところLANの整備とパッケージソフトの導入で500万円ぐらいの投資の予定なんだが。」

相談員「税額控除、特別償却を企業が選択できるのですが、それぞれを計算してみましょう。」

減税額

税額控除500万円×10%=50万円
特別償却500万円×50%=250万円
経営者A「これは特別償却を選んだ方が得だな。でも、それだと皆、特別償却を選ぶはずだが?」

相談員税額控除というのは、ここで計算した50万円が法人税から控除されます。ただ当期の法人税額の20%が限度となります。控除できなかった額は1年間の繰越が認められます。」

特別償却というのは、初年度に支払う法人税は軽減されますが、例えばパソコンの法定耐用年数である4年トータルでみると法人税の支払い総額は通常と変わりません。つまり特別償却というのは、法人税の支払いを先送りすることになります。」

どっちが得?

経営者B「それなら、税額控除を選んだ方が得なのかな?」

相談員「ケースバイケースですね。特別償却で50%落とせるということは、帳簿価格がそれだけ下がることと同じです。帳簿価格が下がると来期以降の減価償却費がそれだけ少なくなるということです。」

「初年度に多額の運転資金が必要な企業で、支払う税額を減らしたい場合や今期の利益が予想以上によかったという場合は特別償却を選び、毎年、恒常的に利益が出るので減価償却費はあまり減らしたくないという場合は税額控除を選ぶのもいいでしょう。」

経営者B「つまりウチのような赤字決算の会社では、あまり関係ないなということですね?」

相談員「いえいえ特別償却を選べば赤字が見込まれる企業にも減税効果はあります。IT投資をして赤字になっても、赤字額は5年間繰り越しできます。つまり今期出た赤字額は、来年度以降に生じる黒字額と相殺できます。つまり来年度以降に支払う法人税を軽減できます。」

「税額控除の方は、繰越が1年だけですので、赤字が続く企業には効果がありません。」

経営者B「もっとも、ハードで140万円なんて投資自体が無理なんだが?」

相談員「それならリースでもいけますよ。資本金3億円以下の企業に認められています。リース契約は4年以上でハードはリース費用の総額が200万円以上、ソフトは100万円以上であれば対象になります。この場合はリース総額の60%に10%を掛けた金額が控除額となります。」

経営者A「なるほど、せっかくの制度なので大いに活用してみようかな。」

相談員「具体的な投資計画があるのなら、ぜひ活用しないと損ですよ。今までは中小企業のハード投資のみに7%の税額控除が認められていましたが、10%になりまたソフトウェアや個人事業などにも大きく踏み込んだ措置が取られました。」

経営者A「で、この制度の終わりはあるのかな?」

相談員「2006年3月31日までです。」

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