中小企業支援センターに2名の経営者の方が相談に来られました。
経営者A「IT投資をすると税金が安くなるという制度ができたと聞いたんだが、本当ですか?」
相談員「本当ですよ。今年の1月1日から始まったIT投資促進税制がそうです。」
経営者A「今、社内ネットワークの導入を考えているんだが、中小企業も対象になるんだろうか?」
相談員「もちろん。青色申告をしている全ての企業が対象ですので、個人事業主から大企業まで対象ですよ。」
経営者B「ウチは個人事業なんだが、経理で使っているパソコンを入れ替えるのにも使えるのかな?」
相談員「残念ながら、制度を利用するにはIT投資額の条件があります。」
IT投資額の条件
IT投資額 | 資本金3億円以下 | 資本金3億円超 |
ソフトウェア | 70万円以上 | 600万円以上 |
ハードウェア | 140万円以上 | 600万円以上 |
経営者B「というとパソコンの入れ替えでは無理だな。」
相談員「パソコンでしたら、買った金額を全額損金算入できる税制がスタートしています。30万円未満の減価償却資産が対象になりますのでパソコンでしたら十分でしょう。」
経営者B「それはいいことを聞いたな。」
経営者A「ところで、どんな機器が対象になるんだろうか?例えばプリンターも導入したいのだが」
IT投資促進税制の対象
相談員「大丈夫です。ハードウェアではパソコンやサーバー等の他、プリンターなどの周辺機器も対象となります。あとデジタル複写機やファクシミリなどもいけます。社内LANであればルーターやスイッチ、無線LANなども対象です。」
「ただパソコンの場合は256Mバイト以上の主記憶装置が必要で、通常パソコンショップで売られている機種は128Mバイトが多く買う時に増設する必要があります。」
経営者A「プリンターなど周辺機器に活用できるのは、ありがたいなあ。」
相談員「変わったことろではIP電話設備もOKですよ。」
経営者B「IP電話って何ですか?」
相談員「電話の音声データをデジタル変換してインターネットに流す設備です。電話回線ではなくインターネットを使った電話になりますので電話代を下げることができます。」
経営者A「社内LANの導入と一緒に考えてもいいな。そうそう販売管理のパッケージソフトも入れる予定なんだが、それも大丈夫かね?」
相談員「投資額が70万円以上であれば使えます。」
「税制では自社利用ソフトウェアとして無形固定資産に計上されるもの全てと難しいことが書いてありますが、ITベンダーに頼んで導入したソフトや、買ってきたパッケージソフトを入れても対象になります。自社開発の場合は、原価計算して資産計上すればいけます。ただしウイルスソフトのライセンス更新費用などは駄目で、あくまでも新規です。」
経営者A「で、どれぐらい税金が安くなるのかね?」
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