長谷工アーベストが首都圏在住の団塊および団塊ジュニア世代を対象におこなった「親子の住まい方と資金援助についての意識調査」(平成15年)によると、親世代・子世代ともに8割近くが「行き来がしやすいところに住みたい」という回答をしています。
さらに詳しくみると「15分以内のところに住む」「30分以内のところに住む」が親世代・子世代ともに6割近い希望があるのに対して、同居を希望する回答は親子どちらも10%前後に過ぎず、昔から言われるスープのさめない距離が親にとっても子供にとっても好都合ということのようです。
子供の独立や定年を契機に都心で“億ション”と呼ばれる高層マンションを購入し、夫婦ふたりで新たな生活をはじめる世代がクローズアップされることからも、いずれは老後の面倒を子供にみてもらいたいと考えるものの、リタイアしてしばらくは「自分たちの時間を有意義に過ごしたい」という現われと思われます。
団塊世代:1947~1949年生まれ 第2次大戦後のベビーブーム時に生まれた世代で、高度経済成長期に青春時代を過ごし、「貧しさ」と「豊かさ」の両方を知る。その数は約700万人。 団塊ジュニア:1971~1974年生まれ 団塊世代の親を持つ子供の世代。同世代人口が多いため他人をライバル視する反面、「自分らしさ」を大切にする。これからの日本を支えるボリュームゾーンとなる。その数は約800万人。 |
■将来、親と同居するからマイホームは必要ない?
やや古いデータですが、平成5年にリクルートがマイホームを購入した長男・長女あるいはひとりっ子に行った「将来親と同居することを考えましたか?」というアンケートに対して54%が「はい」と回答しています。
いずれは同居も視野にいれていながら、マイホームの購入に踏み切っていることになります。はたして、その心理とはいかなるものなのでしょうか?そこには3つの理由が潜んでいました。