駐車場使用権分譲対価のゆくえは?


マンションの分譲駐車場 その対価は一体誰のもの?
マンションを初めとする区分所有建物における敷地の取り扱いは争いのもとになりやすく、多くの裁判が行われています。今回は分譲業者がマンション購入者へ区分所有権と同時に敷地の一画を専用使用権付き駐車場として分譲した事例で、当該分譲対価が誰に帰属するのか考えてみたいと思います。

事件のあらまし


マンション分譲業者は、マンション分譲と同時に購入者の共有地である敷地の一画を専用使用権付き駐車場として販売し、その代金を得ました。一方、管理組合管理者は専用使用権分譲契約は無効であるとして返還を求め提訴しましたが、マンション業者は上記金員は営業利益として収受したものと主張を行い、争いとなりました。

なお、マンションの売買契約書には売買代金について「駐車場対価としての代金を含む」との記載があり、また「(他の)マンションの買主は敷地の一部を駐車場として特定の区分所有者に専用使用させることを承諾する」という趣旨の記載もありました。さらに駐車場専用使用権の分譲を受けた者の売買契約書には売買目的の表示のなかに「駐車場」として特定の区画番号の表示が明記されていました。

重要事項説明書には「特定の区分所有者は各駐車区画を専用使用することができ、一区画あたり○○円の専用使用共益費を管理組合に支払う」旨の記載があり、また、管理規約には「区分所有者は特定の区分所有者が駐車場につき専用使用権を有することを承諾する」という条項があるだけでした。


   <争点の整理>
  1. 分譲業者とマンション購入者間の駐車場専用使用権分譲契約は無効か?
  2. 管理組合は分譲業者に対して専用使用権分譲の対価の返還・引渡し請求ができるか?


次ページで、判決結果をご紹介いたします。