生活に密着している介護施設が魅力
発熱や口腔状態など利用者の身体状況をスタッフは共有。多職種協働で利用者のQOL向上を目指す。 |
長年、病院に勤めてからこちらの施設に転職したそうですが、どういうきっかけだったのですか?
秋山さん:
特養で働く栄養士の友人から話を聞いて、おもしろそうだなと思ったんです。介護施設は利用者様の家と同様、生活の場であるので、そこに密着できることに興味を持ちました。食事をとって体に取り込まれ、体に生かされるまでの一連の流れを見届けられることや、そこにかかわって働くことは栄養士の自主性が大いに生かされると思ったのです。
それまで勤めていた病院では、栄養科の一員として働いていたので先輩がいましたが、責任者の立場を経験し、学びたいという興味もありました。
ガイド:
栄養管理をはじめ、責任者という立場で管理栄養士の業務を始動するのには大変なエネルギーが必要だったと思いますが、どのように取り組まれたのですか?
秋山さん:
今までは施設栄養士の役割や、栄養管理の重要性が理解されていなかったようでした。そこで施設栄養士の必要性を伝えるには? と考えた時、自らが栄養士のPRをしなくてはならないと思ったんです。
まずは1番大事な足下である厨房で配膳を行い、食事内容の確認から始めました。それから利用者様のところを少しずつまわり、食事形態の確認や内容の相談、アドバイスなどをしていたら、スタッフや利用者様から声をかけてもらえるようになって、だんだんと各フロアから相談を受けるようになりました。仕事で表したことをまわりが受け取ってくれて、食事や栄養のことは栄養士という専門職に相談すればいいと伝えられたのではないかと思います。そうやって徐々に「施設栄養士」の立場を築いてきたと思います。
給食業務に関しては、手間やコスト削減に励んだり、スタッフの業務整理と責任分担を明確にして、指針もわかりやすく作りました。誰もがわかるように、仕事を「見える」ようにしていったのです。これには以前、病院に勤めていたときの経験が役に立っていますね。
病院でのどのような経験が役立っているのか、病院と福祉施設での違いについても聞かせてもらいましたので、つづきは次回、ご紹介します!
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