医療ソーシャルワーカー(MSW)とは、病院などに勤務し、患者から寄せられるさまざまな相談に応える相談援助職のこと。聞いたことはあるけど、どういう仕事なのか、はっきりとは知らないというかたが多いのではないでしょうか。そこで、MSWの仕事内容と実態、MSWから見たケアマネジャーなどについて、現職MSWの声を通して紹介します。

■1ページ目……医療ソーシャルワーカー(MSW)とは? MSWの難しさとは?
■2ページ目……MSWの仕事とは?
■3ページ目……MSWが営業担当って?

■4ページ目……MSWから見た 優秀なケアマネジャーとは?

医療ソーシャルワーカー(MSW)とは?

一言で言うと、病院などに勤務し、患者が抱える悩みを解決する手伝いをする相談援助職のこと。持ちかけられる相談は、入院費が払えそうにないがどうしたらいいか、要介護状態になり退院後の在宅生活に不安がある、転院要請が出たがどこに転院すればいいか、など、さまざまです。

患者の悩みの相談には乗りますが、MSWがすべてを解決するわけではありません。入院費が払えないのであれば医療費減免の手続きの仕方を教え、自治体の医療費助成について伝える。在宅介護生活に不安があるなら、ケアマネジャーを呼んでカンファレンスを開く。転院先を探しているなら、候補となる病院を探して相談にのる。必要な情報を提供し、関係機関を紹介するといった援助によって、患者の悩みに解決の道筋をつけるのが仕事です。

MSWの難しさとは?

このMSWは、二つの点から非常に難しい仕事です。

まず一つは、この職種が医療制度上、配置に法規定がない点。
病院には、医師や看護師の配置基準はありますが、MSWの配置は任意。病院経営者の判断で、おいてもおかなくてもいいわけです。大病院では配置が進みましたが、MSWが仕事をしても健康保険から診療報酬が出るわけではないため(MSWが社会福祉士や精神保健福祉士の場合は出る項目もありますが)、その必要性を認識していない病院経営者もまだ少なくありません。

MSWを新規配置した病院では、病院内で他の職種にMSWの仕事内容や必要性が理解されていないケースがほとんど。そうした中で、MSWの仕事を作り上げていくのは、非常に困難なことです。

もう一点は、相談を持ちかけてくる患者を取り巻く問題の複雑さ。家族関係、経済状態に問題を抱えていることが多く、解決は一筋縄ではいきません。特に、家族関係にはケアマネジャー同様、深く立ち入らざるを得ないことも多く、患者家族の利害関係に巻き込まれそうになることもあります。傾聴を心がけ、患者やその家族の心に寄り添いながらも、抱えている問題とは正しい距離をとることが求められます。

次のページからは、現職MSWの声を通して、この仕事をさらに詳しく紹介します。