「共依存」は、援助職が陥りやすい人間関係の嗜癖(くせ)。自分自身が抱える空虚を埋めるために、人から必要とされることを必要としている状態をいいます。人の役に立つこと、人に頼られることを過度に求める人は、「共依存」状態に陥っていないか疑ってみた方がいいかもしれません。

◆INDEX◆
1P目>>【共依存とは何か】
2P目>>【援助職のイネイブラー】
3P目>>【共依存状態に陥らないためには】

共依存とは何か

共依存とは、その字のとおり、互いに依存し合っている状態。もともとは、アルコール依存症の家族が、依存症者の問題行動に巻き込まれ、世話を焼いたりトラブルの後始末をすることにより、結果として依存症者がアルコール依存から回復することを妨げている状態を指していました。

これだけを読んでも、え、どういうこと? と思いますよね。
世話を焼くことが、なぜいけないの? と。

酒を飲み過ぎないように酒のビンを隠す。二日酔いで仕事に行けない本人に代わって欠勤の連絡をする。代金を払わずに帰ってきた飲み屋に本人の代わりにお金を払いに行く。酔って会社を休んでいる父親のことを、子どもに「おとうさんは具合が悪いのよ」と本当のことを言わずにかばう。

悩み
何とか、生活が破綻しないように一生懸命、アルコール依存症者の不始末をカバーし続けるイネイブラーは、次第に自分の時間、自分の生活を失っていく
アルコール依存症で言えば、こんな世話焼きが問題だと言われています。なぜいけないかといえば、こうした世話焼きを続けることによって、本人は後始末の心配をせずに、心おきなくお酒を飲み続けられるからです。依存症者に自分の不始末の責任を取らせず、代わりに責任を背負うことが共依存状態にある家族の特徴。世話を焼き続けることで、次第に、自分の時間や自分の生活を失っていきます。その一方で、過剰な世話焼きによって依存症者が自分なしでは暮らせない状態を作り出してしまい、無意識のうちに依存症者をコントロールしているのです。こうした依存症者の家族は、アルコール依存症者に飲み続けられる環境を作ってしまう人、飲み続けることを可能にさせてしまう人、という意味から、「イネイブラー(enabler)」と呼ばれています。

今では、「共依存」状態は、アルコール依存症の家族だけではなく、ドメスティック・バイオレンスの加害者と被害者、過干渉な親とその子どもなどの関係にも見られると言われています。そして、援助職と被援助者の間にも。

その人の責任をその人自身に負わせず、代わりに責任を負う、と聞いてドキッとした人はいませんか?

では、援助職のイネイブラーとはどのような状態にある人なのか。