介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

看護師や介護士と連携  特養の管理栄養士(2ページ目)

2005年に介護保険制度が改正し、栄養ケアマネジメントの導入後、管理栄養士の役割は給食管理中心から人間の栄養をみる業務へと移行。今回は特別養護老人施設の管理栄養士、秋山ゆかさんにお話をうかがいました。

執筆者:大石 淳子

体重減少に注意する高齢者介護施設での栄養管理

特別養護老人施設
体重減少を食い止める栄養量の決定を検討。コスト面の難しさもある。
ガイド:主な業務である、栄養管理について教えていただけますか?

秋山さん:
食事時間に利用者様が食べている様子を実際に見たり、時には食事の介助をして、喫食量、食事形態、姿勢を確認しています。食事の咀嚼ができているか、食事の残し方などを見せてもらっています。

そして栄養ケアプランや食事計画を立て、生活相談員と連携してご家族に説明します。1ヶ月にだいたい30人はプランを見直し、進めています。

利用者さんの体調を管理をするために看護師や介護スタッフ、ヘルパーからも状態を聞き、相談して進めています。当園では身体計測は介護スタッフが、生化学検査は看護師が担当しており、それをまとめるのが管理栄養士の役割になっています。体重減少率や食事からのエネルギー摂取量などのデータを表にして、ケアプランを立てています。

ガイド:
どんなケースが多いですか?

秋山さん:
体の栄養状態は悪くない、つまり検査データには問題がないのに体重が減少する方がいます。傾向として粥食やミキサー食の方に体重減少が多いことがわかったんです。必要な栄養量をとるため、粥の量を増やせるように茶碗の大きさを見直すことや、ミキサー食にタンパク質を加えることを決めて調整しているところです。

ガイド:
栄養管理をすすめるにはどんなことが必要ですか?

秋山さん:
病態とライフステージ別の栄養に関する基礎知識は必須です。特に高齢者というライフステージの栄養学については、必ず知っておかなくてはならないですね。高血圧や心臓疾患がある方も多く、経腸栄養の方もいますから、病態の知識は必要です。

他職種と仲良くなれるような関係を築けるハート、わからないことは人に聞けることも必要です。それぞれが専門家であり互いの立場があるので、その違いを理解しながら協力しています。そのための交渉術があると良いかもしれません。

次のページでは、高齢者への講話やイベントを失敗しないコツをご紹介します!
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