記事「学生にも人気! スポーツ栄養士になるには? 」でもご紹介したように、今注目されているスポーツ栄養業界。実際どんな活動をするのでしょうか? 今回は現在フリーランスの管理栄養士として、ラグビートップリーグ、NECグリーンロケッツの栄養サポートを行っている菊池嘉代子さんに、スポーツ栄養の仕事とその他の取り組みをうかがいました。
栄養サポートはどんなことをするのですか?
Copyright JRFU. 練習を見ることは重要。雨の日でも選手と同様、傘をささずに選手の様子を見守る菊池さん。 |
菊池さんはフリーランスの管理栄養士としてスポーツ業界、その他広く活動されていますが、どんな仕事をしているのか教えていただけますか?
菊池嘉代子さん:
NECグリーンロケッツの栄養サポートのほか、スポーツをしている大学生・ジュニアへセミナーを行ったり、高齢者に対する転倒骨折予防や栄養に関する指導、一般の方への栄養相談や食育、クリニックでは栄養や運動のアドバイスを行っています。
ガイド:
グリーンロケッツの栄養サポートは、どのように行っているのですか?
菊池さん:
選手が練習する内容をグランドで見学した後に、選手から体調や食事について話を聞いてアドバイスしています。体重が増加傾向にあるなどのほか、さまざまな選手がいるので、どんな食事をしているのか聞きます。選手やご家族に渡すニュースレターも作成して、間食や補食、疲労回復や体づくり、外食時に関することを提案しています。遠征時には合宿先の食事を事前にチェックして、調整することもあります。5月上旬に行われた菅平合宿には帯同しました。宿泊先の食事に野菜が不足している場合は増やすように対応してもらったり、脂質を控えることや使用する油の種類を提案することもあります。
ガイド:
練習の見学は、栄養サポートをするためにどんな役割があるのですか?
菊池さん:
栄養サポートをするにあたって体重と体脂肪率は計測していますが、数値よりもパフォーマンスの良さや力を発揮できることが大切です。数値が適正であっても重そうに走っているのでは、改善点があるのかもしれません。ですから筋肉のつき方、身体の動かし方、モチベーションの変化などを見ています。グランドに響く選手の声もよく聴いて、元気な声を出しているかチェックしているのですよ。
選手はポジションごととチーム全体での練習をしていて、瞬発力、バランス力、持久力、柔軟性を高め、身体機能が向上するためのトレーニングをしています。選手の走る様子やぶつかる様子をサポートスタッフと一緒に見て話し、どんなアドバイスが必要か考えています。練習を見ることや他のサポートスタッフとの連携することは重要だと思っています。
次のページでは、ラグビー選手の栄養サポートの特徴についてご紹介します!