真向かいのマンションを双眼鏡でのぞく卑劣な住民
場所は、こちらも都内のある住宅街。マンションがひしめき合う一角で「のぞき」事件は起きました。加害者が住むマンション(8階建て)は常に屋上が解放されており、居住者はいつでも誰でも出入りが自由になっていました。そのため、日が暮れて辺りが暗くなると、双眼鏡を片手にこっそりとやって来て、屋上から目の前のマンションをのぞくという行為を繰り返していたのでした。
おそらく、ほとんどの方はカーテンなりブラインドで部屋を目隠ししていたため、たとえ、こうした不届き者がいても室内をのぞかれる心配は少なかっただろうと思います。ただ、上層階では閉めないご家庭もあるでしょうし、たま、「たまたま、その時だけ開けっ放しにしていた」ということも、あったかもしれません。そういった方にとっては、とんだ災難となってしまいました。
自分の知らないところで自分の行動を見られているとしたら、背筋がゾッとするのは私だけではないでしょう。残念ながら、その後の成り行きまでは知らないのですが、屋上の出入り口が“開かずのトビラ”になった話は、後から聞くことができました。
プライバシーの侵害は損害賠償請求の対象になる
さて、こうしたプライバシーに関する住民トラブル、どうすれば防止できるでしょうか?
手軽な防衛策としては、こまめにカーテンなどを閉めて室内をのぞかれないようにするのが一番です。法的には、プライバシーの侵害が認められれば、加害者に対して不法行為による損害賠償を請求できます。「不法行為」とは、故意または過失により他人の権利を侵害する行為のこと。不法行為が成立すると、加害者には損害賠償義務が生じることになります。
ただ、損害賠償請求はのぞかれた“後”の事後対策で、残念ながら予防策(事前対策)にはなりません。常にのぞかれないようにするためには、管理組合で相談し、バルコニーに目隠し板を取り付けるなどの工夫が必要です。
続いて、次ページでは漏水事故にまつわる住民トラブルをご紹介します。