今回お話をお伺いしたのは、FPとして活躍中の、広瀬 美貴子さん。資格について、また活動の場を広げていったその経緯などについて、質問に答えてくださいました。
ガイド:FPになろうと思われたキッカケは?
広瀬さん:ある会社で経理・人事の仕事をまかされていたときのことです。社員のカウンセリングや相談業務をしているなかで、若い社員たちが数名、多重債務者になり、給与の差し押さえ、供託(法令の規定により、金銭・商品などを、供託所または一定の者に寄託すること)、個人再生の処理にかかわりました。そのとき、お金について、しっかりとした知識をもたない若い社員を見ているうちに、幼いころから金銭教育の必要性を感じるようになりました。これからの日本経済を担う子供たちに、しっかりとした金銭教育を行なうことで、将来は変わると感じたことがキッカケです。子供たちに、もっとお金の大切さを伝えたいと思い、お金・経済の知識を得るために、FPの資格を取得しました。
ガイド:資格取得のために、スクールなどへは行かれましたか?
広瀬さん:NPO法人日本FP協会認定「AFP資格」の研修を受講しました。費用は約20万円、受講期間は約3ヶ月でした。研修は、仕事の合間をみてビデオ学習へ参加。1週間に2~3回ほどスクールへ通い、ビデオ学習をすべてテープに録音。仕事で車に乗っている間、繰り返しテープを車内で聞いていました。「AFP資格」の勉強をしていたころは、幼稚園へ通っていた子どもの送り迎え、そして仕事と、あわただしく過ぎる1日のスケジュールから自分の時間を捻出するため、自宅では、子どもを寝かしてから23時まで勉強し、早朝4時に起きてまた勉強と、短期集中型で学びました。
ガイド:この仕事をする上で、あるとよいスキルや技能はありますか?
広瀬さん:クライアントの話をしっかりと「聞く」ことは、最低限必要なスキルですね。相手が何を求めているのか、何を聞きたいと思っているのか、何を話して欲しいのか、そういうことが相手の話の中には隠れています。相手の意図するものを聞き出し把握をするには、やはりカウンセリングのスキルは、欠かすことができない大切なものだと思います。私は、「AFP資格」を取得したあと、ボランティア団体に所属し、カリキュラムに組み込まれていたカウンセリングを学びました。ファイナンシャルプランナーとして活動する上で、このときに学んだスキルは、活きています。
また、自分が伝えたいことをきちんと相手に伝える技術の必要性を感じ、「NPO法人金融知力普及協会認定インストラクター」養成講座も受講をしました。自らの活動の中で、セミナーを開催するときに必要となる、効果的に話す方法や、アイコンタクトのとりかた、質問の投げかけ方やシナリオの組み立て方などを学ぶことができました。
その後、金銭教育に取り組もうと思ったキッカケでもある“若者の自立”を考えたとき、「お金の知識」と「働く」ことの両方が必要であると気づき、キャリアカウンセラーの勉強もしました。(NPO法人 日本キャリア開発協会の、キャリア・デベロップメント・アドバイザー取得)その他、ワークショップを開催するために必要なイベントオペレーターのオンライン講座や、執筆活動に向けて文章の書き方を学ぶオンライン講座を受講。「AFP資格」取得以外に、学んできた講座にかかった費用は、約40万円。「AFPの資格」取得後も、自分が取り組んでいきたいと思う分野へ進むために必要だと思うことは、その都度ひとつずつ学び進めてきました。
ガイド:この仕事に向いている人は?
広瀬さん:いろいろな方面にアンテナをはっていける人ですね。アンテナをはっておくことで、ネットワークを拡げ、勉強会やセミナーなどを通じて多くの方々とお付き合いをすることができます。自分のアンテナの方向だけでは、価値観や興味も拡がらず固定しがちですが、違うアンテナを持っている人とつながりをもつことで、今まで自分のアンテナに引っかからなかった情報とつながることができます。外の世界に積極的にかかわっていくことで、自分の持っているお話とメッセージの幅が拡がり、厚みがでて、結果的には、クライアントやセミナー参加者に受け入れてもらえるようなお話ができるのではないかな、と思います。