世帯主の年齢 全体の4割が60歳以上
役員を引き受けたくない理由の第1位となった、「高齢のため」という回答。経年マンションの増加に比例して居住者の高齢化も同時進行していることが、今回の調査から明らかになりました。実に、アンケートに回答した2167管理組合の4割(39.4%)が世帯主年齢60歳以上なのです。
上グラフは「マンション総合調査」世帯主年齢の過去3回の推移ですが、回を追うごとに高齢者の比率が高まっているのが分かります。役員の仕事は精神的にも肉体的には負担が大きいため、加齢により業務に支障が出ることを心配した結果が、役員就任を遠ざけることにつながっているのでしょう。
リタイアしていれば時間的な余裕があり、また、人生経験も豊富なだけに、管理組合としては力を貸してほしいという気持ちは尽きません。しかし、無理やりお願いしたところで成果を伴わなければ、本人のみならず管理組合にとっても無益です。悩ましい問題ですが、抜本的な解決策は見つかっていないのが現状です。
「管理組合活動はボランティア」という考えは間違い
次に、「あまり関心がない」「面倒くさい」「自分だけ苦労するのは損」といった回答については、管理組合そのものへの参加意識の低さが根底にあります。おそらく自分たちは“お客様”で、「管理費を払っているのだから、マンション管理は管理会社がするもの」という概念が頭の片隅にあるのでしょう。専有部分同様、共用部分も自分たちの財産であることを忘れてしまっているかのようです。
マンション総合調査では「管理状況に満足していない理由」を尋ねており、その結果は以下の通りです。出来ることなら役員にはなりたくないと思いつつも、「管理会社が良くない」「役員が不慣れ」「管理員が良くない」と、不満をもらしています。つまり、自分には甘く、他人には厳しい心の内が見え隠れします。これでは、快適なマンション生活は望めません。
- 一部の居住者の協力が得られにくいから………51.9%
- 管理組合の役員が不慣れなので ………………24.8%
- マンション管理会社が良くないから………………24.2%
- 賃貸された住戸が多いので………………………17.7%
- 管理費等の滞納が多いので ……………………17.7%
- 管理費が適切な額ではないので…………………15.5%
- 管理組合が機能していないので …………………14.9%
- 管理員が良くないので ……………………………12.4%
やはり、役員を引き受けても何の得にもならないのでしょうか? いえ、そんなはずはありません。役員になればマンション管理の知識が身に付き、色々な人と接する機会も増えます。マンションの実情を知ることができ、人間関係が広がります。
しばしば、管理組合活動は“ボランティア”と言われますが、この考えは完全な間違いです。ボランティアとは見返りを期待しない無償奉仕のこと。役員になり管理組合の活動が活発化すれば、自然と自宅マンションの資産価値向上にもつながります。つまり、きちんと見返りがあるのです。
この点が分かっていれば、役員を引き受けるのは損といった発想が生まれるはずはありません。「誰かがやってくれる」という期待は捨て、「自分でやらなければ……」という献身的な考えに変わるはずです。これまで役員就任を断り続けてきた方、まずは一度経験してみましょう。苦労もありますが、楽しいこともたくさんあります。
Change(チェインジ)―― 既成概念を打ち破ることから、すべては始まるのです。
【参考記事】マンション管理の基礎講座
#1 マンション管理って何なの?
#2 管理組合の仕組みを知ろう
#3 管理会社との上手な付き合い方
#4 管理規約って何?その重要性を知る