管理組合の役員になりたくない理由とは一体、何?
5月21日、いよいよ裁判員制度がスタートしました。「一般市民の感覚を裁判に反映させる」ことを主たる目的に、われわれ国民に司法への参加を促します。裁判が身近になり、関心が高まるという意味での効果は期待できるでしょう。

しかし、「裁判員制度の制度設計等に関する調査研究報告者」(平成18年3月)によると、「参加したい(8.2%)」「参加してもいい(19.4%)」と参加に前向きな人が約3割なのに対し、「あまり参加したくない(28.4%)」「参加したくない(33.3%)」と、6割以上の人が同制度には消極的です。そして、その理由として「心理的に不安」「参加するための日程調整が大変」「自分の健康や体調が心配」がTOP3に挙がっています。確かに、人が人を裁くことの重さ、また、有給休暇さえ満足に取りづらいサラリーマンが、仕事を休んでまで裁判所へ出向くのは容易でないでしょう。鳴り物入りで始まった裁判員制度、どうやら難題が山積みといえそうです。

前置きが長くなりましたが、実はマンション管理の世界でも同様の傾向が見て取れます。「裁判員」を「管理組合の役員(理事)」に置き換えてみてください。国土交通省の調査によると、「役員就任を快く引き受ける」と回答した人は2割(20.5%)しかいませんでした(下グラフ参照)。男子一生の仕事である夢のマイホームを手に入れたにもかかわらず、その資産の維持管理については「出来ればやりたくない」というのが本音なのです。はたして、これでいいのでしょうか?

そこで、今回は役員になりたくない理由、および、断る理由の背景にあるマンション管理を取り巻く現状について分析してみることにします。マンション管理は「住民の」「住民による」「住民のため」のものです。私有財産の資産価値を下げないためにも、自助努力が不可欠です。

断る理由のトップ3は、「高齢」「忙しい」「関心がない」


まずは、区分所有者の役員就任に対する意識からご紹介します。国交省が今年4月10日に公表した「平成20年度マンション総合調査」によると、管理組合の役員就任への対応として、以下のような結果が出ています。

管理組合の役員就任への対応 (単位:%)
(出所) 国土交通省「平成20年度マンション総合調査」

極めて良心的な解釈をすれば、「引き受けない」と答えているのは6.6%のみ。理由は何であれ、最終的に引き受けるのであれば“結果オーライ”ともいえます。しかし、いざ引き受けても理事会はいつも委任状ばかり(出席しない)。また、出席したとしても管理会社からの説明を聞いているだけ……。まるで「参加することに意義がある」と言わんばかりの態度だとしたら、(失礼ながら)役員としては失格です。「自分のマンションは自分たちの手で良くしていくんだ!」という能動的な主体性なしに、役員という業務はこなせません。

では、なぜ役員を引き受けたがらないのでしょうか。以下が、総合調査によって判明した役員を引き受けたくない理由(重複回答)です。

  1. 高齢のため ……………………………………………………32.3%
  2. 仕事などが忙しく、時間的に無理だから………………………22.6%
  3. あまり関心がないから…………………………………………11.3%
  4. 本人・家族に病人がいる等の事情があるため…………………9.7%
  5. 面倒くさいから……………………………………………………8.1%
  6. 何をしたらいいか分からないから………………………………6.5%
  7. 前回、引き受けた時に嫌な思いをしたから ……………………6.5%
  8. 引き受けない人と比べて(自分だけ苦労するのは)損だから …3.2%

この理由を見て、読者の皆さんはどのようにお感じになったでしょうか。「あまり関心がない」「面倒くさい」「自分だけ苦労するのは損だから」――。実にストレートな答えで、私、ガイドは正直、驚かされてしまいました。