マンション管理

マンションの管理費+修繕積立金、2万円は妥当?

2年前に新築マンションを購入した美紀さんからのご相談です。毎月徴収されている管理費などの維持費は、一体いくらが妥当なのかという疑問です。実際の統計データをご紹介するとともに、そこに潜むリスクをガイドがご案内します。

村上 智史

執筆者:村上 智史

マンション管理士ガイド

マンション

毎月の管理費、いくらが妥当なのか?

マンションにお住まいの区分所有者の悩みにマンション管理士がお答えする「マンション住まいのお悩み相談室」。

今回は、住んでいるマンションの管理費等の維持費が妥当かどうかを知りたいという美紀さんからの相談です。

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■相談者
美紀さん
女性/43歳
既婚/夫・子供と3人暮らし

■お住まいのマンション
埼玉県/築2年/総戸数:約80戸

■相談内容
2年前に新築マンションを購入しました。駐車場は利用していませんが、毎月の管理費と修繕積立金を合わせて約2万円かかっています。分譲マンションの維持費としては、これくらいが妥当なのでしょうか?

新築マンションの管理費の「相場」ってどれくらい?

マンションの管理費は、通常区分所有者が専有面積の広さに応じて負担するように設定されています。首都圏新築マンションの管理費の動向を見ると、専有面積1平方メートルあたりで月額216円となっています。(不動産経済研究所 2011年調べ)

一方、将来の大規模修繕工事に備えて別会計で資金を確保するために毎月徴収している修繕積立金については、専有面積あたり平均月額95円というデータが公表されています。(2009年 リクルートの新築マンション契約者動向調査による)

美紀さんのマンションの専有面積は、73平方メートルとのこと。したがって、一般的な3LDKのマンションの場合、管理費と修繕積立金の合計で毎月負担する金額は、

(管理費216円+修繕積立金95円)×73平方メール=22,703円/月

となりますから、その意味で毎月2万円の負担はおおむね「妥当」といえます。

新築時に設定された修繕積立金ではいずれ足りなくなる?

ところが、です。上で述べた新築マンションの修繕積立金の「相場」は十分な金額ではありません。

というのも、今後30年間の長期修繕計画で見込まれる工事費用の総額を賄うにはそれでは到底足りないからです。

国交省が2011年に公表した「修繕積立金ガイドライン」では、規模の大小にかかわらず、建物本体で専有面積あたりの月額で平均200円強(※機械式駐車場の修繕費用を除く)が必要とされています。

したがって、上記の新築マンションの平均設定額(同95円)ではガイドラインの半分以下にとどまっているため、将来の値上げは避けられないことになります。

修繕積立金の低め設定は、販売価格の維持が目的

それでは、なぜ新築時の修繕積立金は本来必要な水準に比べてこれほど低く設定されているのでしょう?それは売主側にそれなりの意図があるからです。

マンションの購入を検討する場合、たいていの場合は自己資金の他にローンを組むなどして資金繰りと返済プランを検討します。その場合、維持費である管理費や修繕積立金が安いほうが当然購入可能な予算が増えます。

逆に言えば、修繕積立金を本来必要な水準に設定した場合、マンションの販売価格を以前より低めに設定しないと売りづらくなる可能性があります。

つまり、なるべく業者の希望する販売価格を維持するために、当初の修繕積立金を故意に低めに設定しているのです。

修繕積立金の値上げを避けるにはどうすればよい?

すでに述べたように、修繕積立金の設定が低いのは分譲マンションの普遍的な問題ですから、将来値上げを余儀なくされるのは確実です。

でも、これを実質的に回避する方法があります。もっとも有効な方法は、管理委託費などの維持管理コストの見直しです。

毎月徴収されている管理費は、主として管理会社への委託費(管理人業務費、清掃費、設備保守費、事務管理費など)や電気料金、マンション保険料などの支払いに充てられています。

この維持コストを適正化することで結果的に大幅なコスト削減を実現することが可能です。ガイドのこれまでの経験を踏まえると、3割から4割くらいの削減も難しくありません。

維持管理コストの適正化でコスト削減ができれば、管理費の会計で剰余金が毎年生まれることになります。その剰余金を修繕積立金の不足分に充当することで、将来の増額リスクを抑えることができます。

長期修繕計画も鵜呑みにせずに見直すべし!

2つ目の対策は、長期修繕計画の見直しです。既に述べたように、必要な修繕積立金の算出根拠は長期修繕計画で見込んでいる工事費用の総額にあります。

しかし、建築部分や各共用設備の修繕周期や費用水準については、保守的に設定されているのが一般的です。

また、建物や設備が劣化するスピードも、実際に必要となる修繕費も周辺環境や日常のメンテナンスによって大きく異なってきます。

当初30年間の計画で見込んだ工事費用の総額をたとえば35年間に延長できたとしたら、また計画で見込まれた各修繕費も相見積もりを取ることで平均2割下げることができたら、1年あたりの負担としては3割以上のコストダウンができるのです。

たとえば、30年間で負担する工事費用を当初100と見込んだと仮定して、上の前提通りに実践できたら、30年分の負担の合計は以下のようになります

100 × 0.8 ×(30÷35)= 約68.5 → 31.5%ダウン! 

管理コストと長期修繕計画、この2つの見直しを行うことが大切です。

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