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大型ハリケーン「カトリーナ」で数千人の死者 どうする?留学先でハリケーン(2ページ目)

アメリカ南部に大型ハリケーン「カトリーナ」が直撃。留学生が巻き込まれたらどうするべきか。避難所で強いられる不自由な生活や、非常用持ち出しリストも。被災経験者が指南。

西島 美保

執筆者:西島 美保

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実際、避難所生活をすることになったらどうなるか?


・食べ物、飲み水がない。
避難直後は、自分が避難時に持参した食べ物のみで生活しなければならない。公的機関からの支給は、いつになるかわからない。

・トイレに行けない。
トイレは非常に混雑する。1~2時間待つこともざら。掃除は行き届かず、詰まってしまうトイレが多い。臭いと汚れもひどい。トイレットペーパーが切れていることもある。

・シャワーを使えない。
避難所には数百人の人が押し寄せてくる。シャワー施設はあっても使えない、またはないことが多い。そのため汗などの体臭が充満する。トイレの匂いと混ざって汚臭も。

・連絡手段がない。
近年アメリカでは、日本同様、携帯電話の普及による公衆電話の撤去が進んでいる。災害時には携帯電話が使えず、公衆電話を探すのが大変。たいてい長蛇の列で、使えるまで時間がかかる。また、電話料も値上げされており、コインでは足りない。

・盗難に注意
避難所には多くの人が貴重品を持って避難してきており、そこで皆が雑魚寝状態。そのため窃盗が多発。夜は寝ずの番が必要。また自分が住んでいたアパートは無人のため、盗難に遭うことも。

・言葉の壁
普段は留学生にゆっくり話してくれるアメリカ人も、非常時は興奮しており、早口になる。「あそこで水がもらえる」「シャワーを開放している地域があるらしい」などの情報は、見ず知らずの人同士の井戸端会議から得る。

・うわさに注意
被災地では、様々な噂が流れる。全てをうのみにせず、どの情報が正しいのか、冷静に判断すること。特に人々は興奮しているので、噂が肥大化しやすい。


留学生が最低限避難時に持ち出すリスト


緊急時の移動は、車が使えない、長距離を歩かされるなど、苦労を強いられることが多い。大きめのリュックかバックを用意しておくこと。一人でも多くの人を乗せたい避難用バスの場合、スーツケースの持込が断られることもある。ちなみに英語ではこのような避難(疎開)をEvacuationと言うが、なぜか「排せつ物」という意味もある。(ニューオーリンズにMBA留学中のtulaneさんよりいただいた情報を元に、持ち出しリストに一部追加しました)

□パスポート(ビザ貼付済)
□I-20(在籍校が発行する在学証明書)
□I-94(入国時に入管で提示後、パスポートにホチキス留めされる)
□ソーシャルセキュリティーカード
□現地の自動車免許又はState ID(州政府によるIDカード)
□現地銀行口座の小切手及びデビットカード機能付きクレジットカード
□食べ物
□飲料水
□貴重品
□テレフォンカード、クレジットカード(電話用)
□毛布
□衣類(数日分の着替え、長袖、長ズボン、下着、靴下等)
□生活用品(ティッシュ、筆記用具、生理用品等)
□薬など


自然の猛威の前に、私達人間の存在は小さい。家族と離れた留学先での被災は、精神的にも体力的にも相当きつく、命にかかわることもある。また、緊急時の言葉(単語)は、通常の生活では使わないこともあって、特殊だ。緊急時には無理せず、なるべく多くの仲間と助け合って行動しよう。

被災地では、今も多くの人が不自由な生活を強いられているという。一日も早くライフラインが開通し、元通りの生活が出来るようになることを祈るばかりだ。

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