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帰国決意のきっかけは同時多発テロ 9.11を境に激変した留学生活

「テロ以後、留学生の出身国での差別が顕著に。」「タンソ菌パニックに関する郵便局からの手紙」「画材は機内持ち込み禁止」他、テロ以後の学生生活に関する記録。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド

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帰りたいけど帰れない!
美大生の必需品「画材」は機内持ち込み禁止
タンソ菌パニック!
スクールカウンセラーが全米に配置
テロをきっかけに帰国を決意

帰りたいけど帰れない!



9.11の同時多発テロをきっかけに、留学生の生活は激変しました。
好きなことをアメリカで勉強し、たまには家族に会ったり、旅行したり、と普通の生活が一転してしまいました。

留学生は再入国とビザ問題に悩まされました。冬休みと言えば、多くの留学生が自分の国に帰って家族と新年を楽しむ季節。そんな当たり前のことさえ、ままならなくしたのが今回の事件でした。

出国は簡単なのですが、問題はアメリカ再入国なのです。

テロ直後から、留学生達がアメリカ再入国を拒否された、と噂が流れていましたが、私が通う学校でも緊急オリエンテーションが開かれ、弁護士から再入国について細かい説明がありました。



特に「アフガニスタン、パキスタン、インドネシア、その他数カ国の学生は、再入国を許可されない可能性がある」といくつかの国名が発表され、会場は騒然としました。

日本人は、再入国拒否可能性の対象ではありませんでしたが、帰国予定がある者は、例えば「優良な学生生活を証明してもらう手紙」「成績証明書」など、通常の再入国では必要なかった書類を準備するよう指示され、さらに学校側から指示された入国時の決まり文句は「学業を修了したらただちに自分の国に帰国します」でした。


画材は機内持ち込み禁止!


飛行機に乗る際のチェックも非常に厳しくなりました。
テロ以前は国際線で2時間前、国内線で1時間前のチェックインが義務付けられていましたが、テロ後は、国際線3時間前、国内線2時間前、となり、しかもカウンターは長蛇の列。
空港に入る前には全ての車がトランクの中を厳重にチェックされます。

空港内では軍隊が銃を持って警備にあたります!
手荷物検査は、想像以上に厳しくなりました。
私は美大生で、スケッチするために常に画材を持ち歩いていましたが、このテロ以降、画材の機内持ちこみが出来なくなりました。

例えば紙を画板に固定する時などに使うマスキングテープ(紙で出来ており、破けやすい)は人を縛ることが出来る、と没収、鉛筆類はとがっているため手荷物ではなく預ける方の荷物へ、など。
画材入れに入っていた30本近くの鉛筆は他の木炭やチョークなどの画材と一緒に、一本一本全て調べられました。




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