龍谷大学は「遺憾の意」を表明 |
「市民のために働く法律家」を養成する法科大学院の設置を目指してきた龍谷大学神子上学長は、11月21日、同校ホームページの審議会答申に対する本学の見解の中で、構想、教育内容、教育環境、教員計画等、法科大学院設置には何ら問題が指摘されなかったにもかかわらず、11月21日の大学設置・学校法人審議会答申で「不可」と判断された、とコメントし、今回の答申に遺憾の意を表しています。
「不可」の根拠 |
今回、龍谷大学が「不可」と判断された背景として、第三者との業務委託関係の内容・程度の不明確さが挙げられ、
「法科大学院教育を龍谷大学が主体的に実施する体制になっていないのではないかとの疑念を払拭するに足る説明が十分に尽くされていない」ために、「新しい法曹養成制度の理念に則った法科大学院教育を実現することが可能であると判定することは困難であるとされた
(同校ホームページの審議会答申に対する本学の見解より引用)とコメントしています。
「不可」理由とは言い難い!?「説明が不足しているため判定が困難」 |
第三者との業務委託関係は、同校が主体的に行う教育について、技術的サポート(e-learningや教材の作成など)をする関係とし、教育内容や方法、教材内容決定は全て同大の担当教員が行う、と説明していますが、しかし、大学設置・学校法人審議会は「この業務委託を計画していると言うこと自体、同大学法科大学院の主体性に疑念があり、この疑念を払拭するに足る説明が不足している」ことを「不可」理由としているとのこと。
これに対し、同大は、「明示的な設置基準の不足ではなく、説明が不足しているため判定が困難であるという理由によって、「不可」とすることはできないと考えます。」と反論しています。
さらに前例のない設置「不可」答申として(1)異例な認可手続、(2)社会的影響と志願者への責任を指摘し、最後に文部科学大臣が公正な決定をなされることを切望いたしますと、この答申に対して不服であることをアピールしています。
今後の動向に注目 |
今回の答申は、ロースクール関係者及び今後ロースクール開講を目指す大学にとっても、強い衝撃を与えました。現在「保留」を受けている2校も確実に認可されるためには、適切な対応が迫られています。
そして、今回の答申で認可を受けた学校は、受験生集めや受験日程の発表、願書の配布など、いわゆる受験期モードに入っていきます。
毎日のようにどこかの法科大学院が更新され、情報がめまぐるしく動いていますので、今後もロースクール動向は目が離せません。
なお、今回青森大学、愛知学院大学、龍谷大学と同様、「不可」とされた北陸大学法科大学院のホームページは現在クローズされ、アクセスできない状態になっています(2003年11月25日現在)。
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