契約者説明会での一問一答を紹介 |
現在、建設中のサーパスマンションは全部で45物件あり、このうち22物件は工事を再開しています。しかし、残りの23物件は中断を余儀なくされており(12月11日時点)、管財人に選任された長谷川宅司弁護士は、「完成済みマンションの購入者への物件の引き渡しは年内をめどに実現したい」(読売新聞12月12日より引用)との考えを示しています。
ただ、独自情報によると債権者でもある地元の地方銀行が担保解放しないため、登記も資金実行もままならず、マンション契約者は予定通りに引き渡しを受けられない事態が発生しようとしています。“穴吹ショック”の第一波が、被害者たる既契約者に襲いかかろうとしているのです。
今回、渦中のサーパスマンション契約書の協力により、契約者説明会での質疑応答の内容を入手することができました。出席者(契約者)の困惑した様子や見通しが立たないことへのいら立ちなど、人間模様がありありとにじみ出ています。そこで、説明会でのやり取りと質問に対する回答を、補足説明を含めて本コラムでご紹介させていただくことにします。
2009年11月24日 東京地裁へ会社更生法の適用を申請する
2009年12月05日 マンション契約者への説明会が開催される
2009年12月11日 東京地裁から会社更生手続きの開始決定が発令
2010年03月03日 再生債権の届け出期限(予定)
→ この日までに更生債権の総額を確定させる
2010年07月30日 管財人による更生計画案の提出期限(予定)
とにかく自分たちはどうなるんだ? 困惑する契約者
12月5日に開催された説明会には管財人の弁護士も同席しており、会場には以下の内容の冊子が用意されていました。
- 出席者のご紹介
- 会社更生手続き開始の申し立てのご報告とお詫び
- 会社更生手続き開始の申し立てに至った経緯について
- 保全管理人代理からのご挨拶
- 今後のお取り扱いについて
- これまでにお寄せいただいたご質問について
- 質疑応答
ただ、今回、貴重な話をしてくれたマンション契約者によると、出席者にとっては法律の話などどうでもよく、「自分たちはどうなるんだ」という先行きへの不安やいら立ちに駆られる場面が随所で垣間見られたといいます。その後の個別相談では怒号が飛び交う一幕もあったそうで、やり場のない怒りをどこにぶつければいいのか? ―― 冷静さを保つには、あまりにも納得のいかない説明会だったことがうかがい知れます。
その契約者説明会では、大まかに以下のような質問が出されました。
- 住宅瑕疵担保履行法に定められた保証金の供託は可能なのか?
- 買い主側から契約解除した場合の預かり金の取り扱いは?
- いつになったら引き渡しができるのか?
- なぜ、引き渡し日を確定できないのか?
- 予定通りに引き渡しを受けられない人はどうすればいいのか?
- 引き渡し日の遅延により発生する追加家賃や、あるいは荷物を預ける場所を一時的に借りたことによる費用は誰が負担するのか?
- 入居後、マンションの管理はどうなるのか?
- 再建に失敗し、最終的に会社(穴吹工務店)が清算されることになったら、サーパスマンションの契約者にはどのような影響が及ぶのか?
- こうなった経緯は?
- 前社長が会社更生法の申し立ての取り下げに動いているが、その行動については?