パテック フィリップの腕時計はどれも、80万円は下らない。最近では4,140万円の腕時計も発表されている。160年以上の長きにわたり、こよなく愛される理由とは?
※写真はミニット・リピーターRef.5074 (4140万円)
●ヒットの秘密(愛される理由)
パテック フィリップの腕時計(タイムピース)は、全てにおいて「これ以上ない」と顧客からの賞賛を受けている。
1.これ以上ないタイムピース
「タイムピースについての全てをお話すると、最低でも5時間はかかるかもしれない。」
パテック フィリップ ギャラリー代表取締役 角田 修一朗さんは語る。
パテック フィリップのタイムピースは、その全てが時計産業における最高の品質基準とされるジュネーブ・シールの認定を受けている。これは、ジュネーブ・シール全体の95%であり、残りの5%を他社メーカーの最上位機種で分け合っている。
(つまり、残りの5%の中に某「○レックス」といった時計メーカーなども入っているということになる)
この衝撃的な事実すら、ほんの一例だという。
2.これ以上ない叡智と技術
パテック フィリップのタイムピースは裏面まで美しい。
カナ歯車のポリッシュ仕上げされた歯が丹念に磨き上げられている。
それは美しさを増すばかりでなく、時を正確に刻む機能を果たす上で不可欠な工程である。
実は、1つのタイムピースのムーブメントを製作するために、32種類の職種と1,200~1,500の工程が必要だという。
ケースも20名の専門職人により、約50の工程を経て製作される。
また最終組立てにも25種類の職種が必要だという。
こうした叡智と技術の蓄積がパテック フィリップには潜んでいるのだ。
3.これ以上ない顧客
古くはヴィクトリア女王、チャイコフスキー、アインシュタインなどが愛用し、現代においても、真の芸術愛好家としての資質、すなわち本物を見分ける眼と寛容の精神を備える顧客に選ばれている。
ため息が出そうだ。次ページはガイドの視点。