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戦後ベビーブームに生まれた「団塊の世代」の定年 望まれる技術の伝承・2007年問題

技術の伝承が急がれる。2007年に、戦後ベビーブームに生まれた「団塊の世代」の定年が、ピークを迎えるのである。ベテラン技術者世代の引退に備え、後継者の育成やノウハウなどの継承が重要になっている。

執筆者:木村 勝己


団塊の世代の定年

技術の伝承が問題になっている。2007年に、戦後ベビーブームに生まれた現在56歳~58歳の「団塊の世代」の定年(60歳)が、ピークを迎えるのである。いわゆる2007年問題、あと2年もない。

「団塊の世代」とは、作家の堺屋太一氏が発表(1976年)した小説、『団塊の世代』によって登場した言葉である。第二次世界大戦直後の1947年から1949年にかけての第一次ベビーブームで生まれた世代であり、前後の世代に比べて人口比が極めて高い。(約800万人)

この2007年問題は、特にIT業界での影響がおおきい。基幹系システムである大型汎用機やオフコンによるレガシーシステムを、日本企業に最初に構築し、運用・保守を行ってきたベテラン・エンジニアがこの世代なのである。

レガシーシステムへの課題

レガシーシステムとは、メーンフレームと呼ばれる汎用コンピューターなど、旧式の情報システムを指す。中小企業ではオフコンがレガシーシステムといえる。

メインフレームの口内出荷は減少傾向だが、システム構築における経験の継承は重要データ:明治大学佐野ゼミサイトより

システム開発・運用においては、ベテランSE(システムエンジニア)がレガシーシステムを担当し、若手SEがクライアント&サーバシステムを扱うケースが多い。IT技術は日進月歩で新化し、若手SEはこれらの最新技術を積極的に導入している。認証・決済・セキュリティも技術的に高度化され、若手SEの力に依存するところは大きい。

このような中、企業においては、ITの導入を進めてきた経験豊富なベテランSEが、レガシーシステム構築、保守・運営を担当していることが多い。

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