マーケティングとはお金を儲ける手段?
果たしてマーケティングはお金儲けの手段なのか? |
私自身はマーケティングとは決してお金を儲ける手段ではなく、お客との関係をより深める仕組みだと考えています。つまり、マーケティングとは自社の商品やサービスを全く知らないお客に気付いてもらい、信用してもらい、そして購入し続けてもらう関係を構築する仕組みということなのです。
たとえば、どのような時にお客が商品やサービスを購入するかを考えてみるマーケティングの本質が見えてくると思います。お客というのは商品やサービスを購入する際に、提供する企業に対して、安心できると確信して初めて財布の口を開くのではないでしょうか。
このような観点から、マーケティングとは商品やサービスを売る仕組みを作るというよりは、いかにして自分や自分の会社を信用してもらう仕組みを構築するかと置き換えても問題はないでしょう。お客は商品やサービスが提供するベネフィットにも関心がありますが、それ以上に関心のあるのは商品やサービスを提供する企業が信用するに値するかどうかということなのです。
そして、マーケティング活動を通じて、お客の信用さえ得られれば、後は商品やサービスを売り込むことは難しいことではありません。逆に売り込みをしなくても、お客の方から勝手に商品やサービスをどんどん購入してくれるようになります。故ピーター・ドラッカー氏が言うように“マーケティングとは売り込みを不要にするもの(Marketing is to make selling unnecessary.)”ということなのです。
このようにマーケティングが成功してたとえお客の信頼を勝ち取ったとしても、企業は常に顧客の信頼に応え続けるために絶え間ない努力を怠ってはいけません。顧客は企業が力を抜けばすぐに見破ってしまうからです。ただ、顧客の信頼に常に応え続ける真摯な姿勢が認められれば、顧客の絶大なる信頼を得て、後は黙っていても売上は増えていくことになるのです。
不祥事を起こした企業はどこが間違っていたのか?最後のページではマーケティングの観点から分析していきます。