都市伝説”を商品化したことでヒット商品となったミルクシーフードヌードル
あなたは“シーフードヌードルをミルクで作るとおいしいらしい”という都市伝説を聞いたことがあるだろうか? |
いえ、これはただの“都市伝説”ではなく、実際にトライしてもらえばわかるように、通常はさっぱりとしているシーフードヌードルがお湯ではなくミルクを注いで作ることによってスープがチーズのような濃厚な風味になり、まるでシーフードチャウダーのようにコクのあるちょっとしたセレブのインスタントラーメンに早変わりするのです。信じるか信じないかはあなた次第ですが・・・
この都市伝説、実は10年以上前から世間で囁かれていたものなのですが、この都市伝説を現実のものにしようと試みた一人の開発者がいました。その男の開発までの苦難の物語は日清食品が提供する『これがミルクシーフードヌードルの真実だ!』で詳しく語られていますので是非ともお読みいただきたいのですが、このミルクシーフードヌードル、商品化までの高いハードルをいくつも乗り越えて11月にようやく商品が実現しました。そして市場に投入されるや物珍しさと相まって人気が爆発し、非常に好調な滑り出しを記録したのです。
もともとこのミルクシーフードヌードルの商品化のきっかけは飽きやすい消費者とアイデアの枯渇にありました。今、消費者はたくさんの商品に囲まれすぐに目移りしてしまいますので、一つの商品自体のライフサイクルが短命化しています。いくら苦労して新製品を開発しても、コンビニなどの棚で並べられて売れなければ数週間で撤去され、新製品はその短い生涯を閉じてしまうというわけです。将に現代はPOSなど商品の売り上げが瞬時に判明するシステムが発達し、売れない商品のレッテルを貼られれば、二度と棚に戻ることはないという厳しい時代なのです。
そこで短命化した商品のライフサイクルを補うべく、開発担当者は新たな製品の開発を急ぐのですが、作っても作っても短命に終わる新製品に対してアイデアが枯渇してしまうというのは不思議なことではありません。カップ麺大手の日清食品といえども現代のライフサイクルの短命化を避けるべくもなく、開発担当者が新しいアイデアに悩んでいたところふっと頭をよぎったのが“ミルクでシーフードヌードルを作るとおいしいらしい”という昔から世間で語り継がれている都市伝説ということなのです。
そして、藁にもすがる思いでそのアイデアを検証するために担当者がインターネットで“シーフードヌードル+牛乳”と検索を掛けるとなんとヒットした件数は29,000件オーバー。かつては一部の都市伝説だったものが、世間に広がりを見せたことを確信した瞬間でもありました・・・
巷の噂を商品化して大ヒットを記録したミルクシーフードヌードルに見るヒット商品を開発する秘訣とは?次のページで解説します。