社員による多くの特許訴訟
オリンパス光学の元社員が対価を求めた訴訟で、既に東京高裁は発明者が権利譲渡で得た報奨金が相当の対価に足りない場合は、不足分を請求できるという判断を示している。
味の素の元社員も人工甘味料関係の特許で、相当の対価を求めて訴訟を起こした。もうすぐ一審判決が出る予定である。
日立製作所の元社員は、光ディスク読み取り機構の発明に対する相当な対価が充分に支払われていないとして、東京地裁に提訴した。要求額は9億7000万円である。そして2004年、東京高裁の判決は1億6500万円の相当の対価を認めた。
三菱電機の元社員も2003年に携帯電話のフラッシュメモリーについての特許で訴訟を起こしている。現在那覇地裁で審理中である。
重要になる企業の知的財産に対する取り組み
今後、会社は職務発明といえども社員に大きな対価を求められる方向であり、積極的な対応が必要となりそうである。プロジェクト内での発明者の認定方法、貢献度の評価、評価に応じた報奨金の支払、訴訟準備金の積み立てなどが考えられる。
個人のアイデアが会社の競争力を左右する時代に入り、この辺の取り組みが、優秀な人材の確保につながり、ナンバーワンを目指せる企業体質を構成する大きな柱になるといえる。
経済の国際化のなかで、優秀な人材の流出を防ぐためにも、企業の知的財産権に対する意識改革が重要になってきている。
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