今回のノーベル賞の発表は何かと話題が多い。日本人が同じ年に2人受賞は初めてのことであり、化学賞は今年で3年連続の受賞である。また民間企業からの社員の受賞も初めてであった。
何かと暗いニュースの多い中で、今回の受賞発表は元気が得られる内容だ。日本の技術の潜在力が期待できる感じである。
物理学賞は小柴昌俊さん
物理学賞が決まった小柴昌俊さんは、東京大学の名誉教授(76)であり、東大宇宙線研究所の観測施設「カミオカンデ」で、ニュートリノを検出した功績が認められたものである。
1930年、オーストリアの物理学者パウリは原子核の崩壊を調べている中で、崩壊後のエネルギーが小さくなっていることに気づいた。この時、外に逃げたエネルギーを素粒子(これ以上分解できない粒子)ニュートリノとした。これは超新星爆発でも生まれるものである。
地上が駄目なら地下があるさ
ニュートリノの地上での観測は困難であった。沢山降り注ぐ宇宙線により観測が邪魔をされるからである。
小柴さんは神岡鉱山(岐阜県神岡町)の跡地を利用して、地下深くに観測施設を作り、ニュートリノの検出に成功したのだ。また物理学の理論上、質量を持たないとされていたニュートリノに、質量があることも発見したのである。
そして3年連続の化学賞は次のように民間企業から選出された。