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「先行者」に見る中国のロボ開発(5ページ目)

ひところインターネットユーザーの間で、中国の大学が開発した二本足歩行ロボット「先行者」が話題になった。火付け役になったのは「侍魂」という個人サイト。その話題の実態は如何に!

執筆者:木村 勝己

●国防に関する技術ではない

国防科技大学の開発ということもあり、その目的が気になるところだが、それは考えすぎのようだ。

説明によると、放射能、粉塵、有毒ガス等の危険な環境において人間の代わりに作業を行ったり、動力型の義肢等への応用によるリハビリ医療に役立てることが目的とされている。

このように、中国だけでなく世界のロボットの開発は、海底ケーブルの敷設や火災現場での救援といった人間に危険な分野や、介護ロボットや警備ロボットといった防犯、医療の分野で特に期待がされている。


●ロボットの平和利用を願って!

二足歩行ロボットの開発の先には、鉄腕アトムやアシモフに描かれた、人間社会の中での人とロボットとの共存共栄が見える。人情的な世界だ。ここで、アシモフのロボット工学の三原則を最後に記したい。ロボットの平和利用を願って!

≪ロボット工学の三原則≫

第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。

第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
         
(アイザック・アシモフ「われはロボット」小尾芙佐訳、ハヤカワ文庫より)


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