マーケティング/マーケティング事例

人口減少時代の到来!その時マーケティングは?

日本の出生率は2004年に1.29と過去最低を記録し、2007年には本格的な人口減少時代の到来が予測されています。人口減少=市場の縮小ですが、このような時代に企業が採るべきマーケティング戦略とは?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

人口減少時代がやってきた!

人口減少データ
国立社会保障・人口問題研究所によれば、日本の人口は2006年にピークを迎え、2050年には最悪のシナリオで1億人程度にまで落ち込むという衝撃の予測が・・・・・・その時日本はどうなる?(データ出典:国立社会保障・人口問題研究所)
国立社会保障・人口問題研究所によれば、2004年度の人口の自然増加数は8万3千人と10万人を割り込み、このままでいけば2006 年の1億2,774万人をピークとして、人口減少時代が到来するとされています。 日本の人口は今後、2010年に1億2,747万人、2020年には1億2,410万人、2030年には1億1,758万人、そして2050年にはピークから約2800万人減少して、1億人程度になるという衝撃的な予測がされています。

このような総人口の減少は私たちの生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか?狭い国土の上に多くの人々が暮らす日本ですから、人口が減ると言うことは、今まで高くて手が出なかった土地が需要の減少で安くなったり、これまで難関で入れなかった大学が受験生の減少で入りやすくなったり、通勤時の満員電車で苦しんでいたのが利用者の減少で緩和されたりと消費者にとってはいいことも予想されますが、企業側に立てばいいことばかりではなさそうです。

この人口減少は国内だけでビジネスを行っている企業にとっては市場が縮小するということを意味します。現在でも消費の低迷で厳しい業績を強いられている企業にとって、この追い討ちをかけるような問題に対してどのように対処すればいいのでしょうか?うまく乗り切っている企業の事例を見ながら、考えてみましょう。

少子化によって子供向け市場が縮小!

人口減少時代のマーケティング
少子化による人口減少時代の到来!その時企業のマーケティングは?
日本がなぜこのような人口減少時代を迎えるようになったのか、まずその原因を探ってみましょう。簡単に言えば、人口が減少するということは生まれる子供よりも亡くなる人が多いということです。つまり、日本人が多くの子供を産まなくなったという事実が挙げられます。統計で見てみると、女性が一生に産む子供の人数が2.08人を下回ると人口減少に繋がるとされていますが、日本では1974年からこの2.08を下回る水準が続いています。また、2004年の日本の出生率は1.29であり、先進国の中では最低水準にあります。(ちなみにアメリカは2.04です。)

この少子化の影響を真っ先に受けるのが子供をターゲットにしている企業です。たとえば、ピアノといえば、子供の習い事として非常に人気のあるものですが、少子化の影響を受け、その市場規模は減少傾向です。ヤマハのピアノ教室を例に取ると、1993年には70万人いた生徒数が2002年には50万人まで減少。なんとここ10年で20万人近くも生徒を失った計算になります。

この危機的状況にヤマハが採用した起死回生のマーケティング戦略とは?次ページにお進みください!
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