プラス繊維とマイナス繊維の両極端なもの同士がこすれあうと、より大きな静電気が発生するのだ。この繊維ごとの帯電量をプラスとマイナスの軸にそって並べたのが帯電列表である。
ウールとポリエステルのように、帯電列表の両端に位置するもの同士を擦り合わせると静電気が発生しやすい。逆に服の組み合わせを、ポリエステルとアクリル、綿とウールなどのように帯電列表で近いもの同士にすれば静電気を起きにくく着れるのだ。
このような悪玉静電気であるが、利用の仕方によっては便利な性質なのである。この静電気を上手く利用した発明品のいくつかを紹介したい。
複写機・レーザープリンター | 光と静電気によって感光体ドラム表面に文字や絵の静電気像を写し、そこに粉体インキ(トナー)を付着させ、それをコピー紙に転写して熱ローラーで定着させる。このトナーは、数μmのプラスチックの粉末で静電気を帯びている。 |
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静電気フィルター式、空気清浄器 | 静電気フィルターにより、ちりやほこりやたばこの煙などを吸着してきれいな空気を維持できる。通常一ヵ月程でフィルター交換をして使用する。 |
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花粉防止マスク | 静電フィルターをガーゼの間に挿入し、ほこりやウィルスさらには花粉を吸着させる。 |
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静電駆動式自動焦点カメラ | レンズの両側に電極を設け、静電気の吸引力を交互に与えてレンズを駆動する。(携帯電話などの小型カメラに有効) |
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短所は長所といわれるように、その特徴を上手く活用すると新しい価値や解決策が生まれる。身近なものにも別の角度から視点を当ててみると、新しいアイデアが色々生まれそうだ!