最近、主婦の発明家が元気だ。多くの発明品を商品化している。これは、家事を通して日常的に身近な問題に接しているからこその発想であり、試作が容易といった内容や、概に販売ルートが存在するといった敷居の低さもあるが、その裏には発明への思い入れと、利用者に対する深い愛情が感じられる。

今回から、概に商品化を果たし多くのロイヤリティーを得ている主婦や、発明品をもとに自ら起業した成功例、またそれらの発明品について、数回に渡り紹介していきたい。

《洗濯機の糸くず取り具》
発明の成功例としてはあまりにも有名で、ご存知の方も多いと思う。

電気洗濯機で洗濯をすると、洗濯物から多くの糸くずや綿くずが出てくる、これらは乾燥時に他の衣類に付着して、その除去を手作業で行うには難儀であった。


≪クリーニングボール=写真提供:(株)ダイヤコーポレーション≫

そこで、この糸くずを簡単に取り除く方法はないかと考えて、生まれたのがこの商品だ。昆虫採集に使う網のようなものに浮き袋を着けて、洗濯機の中に浮かべると、水の表面に浮いた糸くずが洗濯の水流により自然にこの網の中にすくわれる仕組みである。さらに吸盤で洗濯機の壁に固定する商品も出した。

発明者は主婦の笹沼さんである。商品名“クリーニングペット”で販売して、年間400万個も売れ、トータルで6000万個以上を売り上げたロングランヒット商品である。その特許料(ロイヤリティ)は何と3億円近くになっている。

この商品化のためにメーカー数十社に売り込みを行ったそうであるが、結果は全て不採用であったそうである。アイデア商品は市場予測が難しいことや、販売ルートの問題等スムーズにいかないことが多い。

これが商品化に至ったきっかけは、発明学会に紹介されたあるメーカーとの出会いだった。この会社はゴルフ用品の会社であったが、異業種への事業拡大を考えていたところに、このアイデア商品の紹介を得たのであった。その結果が上記売上となったのである。

色々なところで言われていることであるが、発明についても、出会いとタイミングが重要と言うことだろう。出会いを求めて諦らめずに頑張れば、何か結果は得られるのだ。これは町の発明家に、大きな勇気と新たなモチベーションを与えてくれる発明といえるだろう。

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