この開発者は中村修二氏であり、日亜化学工業の研究員をしていた時に青色発光ダイオードを開発した。現在はカリフォルニア大サンタバーバラ校の教授である。
人間が光として見えている可視光は、赤・緑・青の三原色の光でできている。これらの組み合わせで好きな色が表示できるのである。つまり従来から商品化されている赤と緑の発光ダイオード(LED)の他に、青色の発光ダイオードが加われば、LEDディスプレーがフルカラー表示することが出来るようになるのである。
図のように赤と緑だけの混合では黄色系の色しか表現できないが、青色が加わるとピンク系やシアン系の色も表現でき、さらに白色も表現できるようになるのだ。この三原色の混合比率を変えることで、色彩の違うさまざまな色が表現できるのである。
このような理由から今までは、テレビの操作ボタンの表示、電子レンジの表示、駅の電光掲示板など、LEDを使ったものは赤・緑・橙などの単色表示が多く、多色を必要とする画像の表示は殆どなかった。
光は色によってそれぞれ違った波長の波を持っているのである。上記のように発光ダイオードも赤や緑の波長のものは既に開発され、商品として世の中で活躍していたのであるが、波長の短い青色の光を発光させるのが難しく、研究者は色々な材料を組み合わせて、青色を発光させるべく試行錯誤を繰り返していたのである。