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【連載】説得と交渉の営業心理学 第3回 一面呈示と両面呈示(2ページ目)

商品やサービスを売り込むとき、良い面だけを強調するのと、良い面と合わせて悪い面も示すのでは、どちらのほうが説得効果が高いのでしょうか。

執筆者:鹿俣 之信

どちらの呈示方法が効果的なのか

一面呈示と両面呈示では、どちらのほうが説得効果が高いのでしょうか。実は、どちらが高い説得効果を発揮するかは、説得する相手によって異なります。

現在までに行われた実験によると、説得する相手が自分と同じ意見(つまり、相手が自分の意見に賛成)の場合、相手が説得する内容に詳しくない場合、説得の内容が複雑ではない場合は、一面呈示のほうが説得効果が高くなります。

逆に、説得する相手が自分と異なる意見(つまり、相手が自分の意見に反対)の場合、相手が説得する内容に詳しい場合、説得の内容が複雑な場合は、両面呈示のほうが説得効果が高くなります。

両面呈示には「逆説得」に対しての免疫を作る効果もあります。逆説得とは、意図する説得とまったく反対の説得が行われることです。例えば、競合他社の営業担当者は、あなたの商品やサービスの弱点を指摘することで、優位に立とうとするでしょう。事前に両面呈示で悪い面(弱点)を示しておくと、逆説得に対する免疫ができ、逆説得されにくくなることが分かっています。

セールスの現場では

セールスの現場では、両面呈示をしたほうが効果的な場合が多いでしょう。説得する相手が自分と同じ意見ということはまずありませんし、最近の顧客は十分な情報量を持っていることが多いからです。

また、悪い面をあえて開示するという姿勢は、誠実で公正で信頼できるとみなされます。そのため、説得メッセージの信用性が高まり、結果的に説得効果が高まることになります。

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【連載】説得と交渉の営業心理学
第1回 二度目は断れない
第2回 拒否させて譲歩する
第3回 一面呈示と両面呈示

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