■ どちらの呈示方法が効果的なのか
一面呈示と両面呈示では、どちらのほうが説得効果が高いのでしょうか。実は、どちらが高い説得効果を発揮するかは、説得する相手によって異なります。
現在までに行われた実験によると、説得する相手が自分と同じ意見(つまり、相手が自分の意見に賛成)の場合、相手が説得する内容に詳しくない場合、説得の内容が複雑ではない場合は、一面呈示のほうが説得効果が高くなります。
逆に、説得する相手が自分と異なる意見(つまり、相手が自分の意見に反対)の場合、相手が説得する内容に詳しい場合、説得の内容が複雑な場合は、両面呈示のほうが説得効果が高くなります。
両面呈示には「逆説得」に対しての免疫を作る効果もあります。逆説得とは、意図する説得とまったく反対の説得が行われることです。例えば、競合他社の営業担当者は、あなたの商品やサービスの弱点を指摘することで、優位に立とうとするでしょう。事前に両面呈示で悪い面(弱点)を示しておくと、逆説得に対する免疫ができ、逆説得されにくくなることが分かっています。
■ セールスの現場では
セールスの現場では、両面呈示をしたほうが効果的な場合が多いでしょう。説得する相手が自分と同じ意見ということはまずありませんし、最近の顧客は十分な情報量を持っていることが多いからです。
また、悪い面をあえて開示するという姿勢は、誠実で公正で信頼できるとみなされます。そのため、説得メッセージの信用性が高まり、結果的に説得効果が高まることになります。
ページ: 1 2
■ 【連載】説得と交渉の営業心理学 |
第1回 二度目は断れない |
第2回 拒否させて譲歩する |
第3回 一面呈示と両面呈示 |
■ この記事を知人に紹介 |
この記事の内容がお役に立ちましたら、ぜひお知り合いの方にメールでおすすめしてください。 |
→ いますぐおすすめ |
■ ニュースレターを購読 | ■ あなたの一票に投票 |
新着記事のご案内やショートコラムなどのお役立ち情報をメールでお届けします。もちろん無料です。ぜひご登録ください。 | より現実に合った記事をお届けするために、みなさまのご意見をお聞かせください。 |
→ いますぐ登録 | → いますぐ投票 |