■ 見慣れたものを好きになる単純接触効果
私たちは見慣れたものを好みます。あるものに対する態度は、過去にそれを何回見聞きしたかによって影響を受けます。これを「単純接触効果」といいます。
たとえば、あまり会話をしていないのに、何度か顔を合わせているうちに自然と親しくなった、という経験はないでしょうか。これは、単純接触効果で好意が生まれた結果です。
また、ベテランの営業担当者が用事もないのに得意先を訪ねて回るのは、こまめに会うことで顧客に好意を持ってもらうためです。ベテランの営業担当者は、経験的に「単純接触効果」を知っているのです。
私たちは、相手と継続的に接触することで、意図的に相手の好意を獲得することができます。必ずしも相手に会う必要はありません。手紙やメールでも効果はあります。大切なのは接触の回数を増やすこと。たったそれだけのことで、相手に好かれるようになるのです。
※いやがる相手にしつこくするのは逆効果です。念のため。
■ 外見の良い人が好かれるハロー効果
私たちは外見が良い人に好意を抱きます。人は外見が良いと、それだけで有能な人物であると判断される傾向があるからです。外見の良い人は、才能があり、知的で、親切で、誠実だと見なされるのです。
これは、心理学者たちが「ハロー効果」と呼んでいる心理法則です。ハロー効果とは、ある人が望ましい特性を1つ持っていると、その人の他の特性まで良いと判断されてしまう現象です。
つまり、身体的な魅力が高いと、ハロー効果によって、才能・知性・やさしさ・誠実さなど、他の特徴まですぐれていると判断されるのです。
心理学者のアルバート・メラビアン博士は、話し手が聞き手に与える印象がどのような要素で形成されるかを測定しました。
その結果、話し手の印象を決めるのは、見た目・しぐさ・表情などが55%、声の質・大きさ・テンポなどが38%、話す言葉の内容が7%であることが分かりました。驚いたことに言葉以外の要素で93%の印象が決まってしまうのです。
私たちの印象は、ほとんど言葉以外の外見で決まってしまうと言えます。
営業のマニュアルに、清潔にする・髪は短く切るなど、身だしなみに注意するように書かれているのにも、ちゃんと意味があるわけです。
身体的な魅力は、根本的には変えられませんが、表情や髪型や服装などでずいぶんと印象は変わるものです。毎朝、家を出る前は鏡の前に立って、自分の好感度をチェックするように心がけましょう。
■ さいごに
人に好意を感じさせるさまざまな要素について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。意外と簡単ですよね?
相手を好きになること。相手と似ている部分を探すこと。相手と何度も会うこと。自分の外見に磨きをかけること。
たったこれだけです。たったこれだけのことで、好かれる人になれるのです。ぜひ、今日から実践してみてください。
最後に、本文では触れませんでしたが、好かれる人になるもう1つの要素があります。それは「相手の話を聞くこと」です。人は自分の話を聞いてくれる人を好きになります。これは別のCloseUp!で書いてありますので、こちらをご覧ください。 → 人間関係をよくする「聞く技術」
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