相手に気に入られようとしてはいけない
相手に気に入られたいというのは、人間にとっての根源的欲求ではないでしょうか。しかし、プレゼンの際にこれを考え始めると、ドツボにはまります。気に入られたいと思う人は、聴衆の表情が気になります。無表情な人や退屈そうな表情の人が目の前に座っていると、「あ、私の話がつまらないんだ。どうしたら良いだろう……」と思ってしまう。そしてその思いが、あがりを加速させてしまう。
私は研修のなかで「聴衆の表情からその人の感想を読み取ろうとしてはいけない。日常から接している人でもない限り、その人の表情が日ごろと同じなのか、そうでないのかはわからない」と言っています。
多くの聴衆は、マンツーマンのときと比べると、無表情になりがちです。それは見られている意識が遠のいてしまうからであり、話の内容がつまらないからではないことが大半なのです。
一語一句まで正確に話そうとしてはいけない
プレゼンの内容を書き起こしていると、その内容を一語一句間違わずに話そうとする人がいます。でも、それはムリですよ。プレゼン自体の長さにもよりますが。私が講演をするときなどは、基本的に2時間くらいです。2時間を完全に台本のままにしゃべるのはムリです。そして、そんなことは聴衆も期待していません。聴衆はライブであることに価値を感じてくれるわけですから、台本のコピーみたいなプレゼンは欲しくない。
しかも、台本のまるまるコピーは難しい。あがっているときであればあるほど、台本に頼ってしまうわけですが、完全コピーで話そうとはしないほうがよいです。ニュアンスだけ掴み取って、それを自分の言葉ではなす。そのほうが簡単だから、1つめのポイントで話したギャップが小さくなります。
自分はあがり症だと思う人は、どうぞお試しあれ。